第15話 主役と美少女。
そもそも、配置がおかしい。
あんなことがあったのに、なぜ自分の隣が龍ヶ崎なのか…。とても気まずい。
ただ、龍ヶ崎はあまり気にしていない様子だった。
やはり彼女ほどになると男子からの好意など慣れ親しんでいるものなのだろうか。
気にしないでもらえた方が良いはずなのに、全く相手にされていないというのも、少しだけショックだった。
しかし、反対側の席も気まずい。
自分とは真逆と言ってもいい存在のチャラ男、『
彼もまた、秀也くんと同じ部活で、皆口とも仲が良い。
それに、あの『
「あれ~、春日井くん、彩ちゃんの方ばっかり見てどうしたの?もしかして、綺羅ちゃんの次は彩ちゃん?君も意外とプレイボーイなんだね。」
「いや、違うから!!本当に変なことばっかり言うのやめて…。」
割りとマジでやめて欲しい。
しかし、龍ヶ崎とは違い、彼女は人を殴ったりしなさそうなので否定ができ、先ほどよりは空気がましな気がした。
「でも、好きになっても仕方ないよね~。彩ちゃん、凄いくらいめっちゃとっても可愛いし。」
「そんなことないよ…。」
本人は否定しているが、これに関しては皆口の言う通りだと思う。
高嶺はまさに美少女という言葉がぴったりすぎる存在で、彼女を嫌いだという男はいないと言っても過言ではない。いや、もしかしたら過言かもしれないけど…。
ただあの圧倒的可愛さは学校中のアイドルと言えるレベルだ。
しかも可愛いだけでなく優しい。
まるで天使の様な存在。
今でさえハンバーグの味がわからなくなっているのに、そんな女子が隣にいたら緊張でご飯を吐いてしまうかもしれない。
そんな事を考えていると、忘れていた重大なことを皆口が言った。
「まあ本当に凄いのは、そんな子と付き合える秀也だけどね~。」
「…えっ?」
突然の情報に驚く平本実咲。
その平本にこのことを伝え忘れてしまっていた春日井優真。
満面の笑みの皆口来斗。
焦る板東秀也と高嶺彩。
気まずそうな龍ヶ崎綺羅と守屋元。
興味の無さそうな柏木悠子。
中々の修羅場である。
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