本音で生きる


おれは

街を歩いていた

女の子に

声を掛けられた

二人組だった

「あんた、可愛い顔しているね」

「まあね」

おれは答えた

女の子は言った

「ねえ、わたしたちとえっちしたい?」

おれは言った

「隣りのそいつとは御免だな、顔面が醜すぎるから」

「うわーん」

突然、その女が泣き始めた

おれは

じいっと観察して言った

「泣き顔も相当、酷いな、見れたもんじゃないからとっとと失せて家でアニメ鑑賞でもしてれば?」

もう一人の女の子も加担し出した

「でしょ? わたしもそう思ったんだけど一緒に逆ナンしよってうるさいからさあ」

おれとその子はすっかり意気投合した

二人で歩き出した

後ろでもう一人の女の子が喚いていた

「死ね」

だとか

「お前の彼氏、寝取ってやったんだよ」

とか

おれの隣りの子はくるりと振り返ると

てくてくとその子に歩み寄り顔面に正拳突きを叩き込んだ

再びこちらに戻って来た

にっこり笑って言った

「クレープ、食べよ」

おれは言った

「クレープ食べたくないよ」

女の子は言った

「じゃあ、えっちやらせてあげないよ」

「クレープ食べるよ」

おれは言った

クレープ屋の前までやって来た

女の子は言った

「わたし、バナナチョコカスタードファイナルアタック」

おれは言った

「おれはブルーベリーチーズハムサンド」

女の子は言った

「バナナチョコの方が美味しいよ」

「チョコ嫌いなんだよ」

「一緒のにしようよ、じゃないとやらせてあげないよ?」

「チョコ好きだよ」

おれと女の子はもぐもぐと食べながら歩いた

「………気持ち悪くなってきた」

女の子は言った

そしてクレープを棄てた

その意見にはおれも賛成だった、棄てた

「あのクレープ不味かったね」

女の子は言った

「ああ、不味かったね」

おれは言った

意見が合った

「やろうか?」

「うん、やろう」

まただ

そしておれたちは何の憂いも無くラブホテルへと向かったのだ

そこでやることは一つと決まっている

子供を作らない子作りだ


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