世界の終わり


世界の終わりを

たった一人、知ってしまった少年は

クラスメイトとはしゃぎ合っていた一学期とは打って変わって

静かになってしまっていた

雨の日も昼休み廊下を駆け回って

先生に怒られるような性格だったが

今は窓の外をただぼんやりと眺めるだけだ

ある日の授業中、少年は先生に問題を当てられた

少年は「わかりません」と言った

即答だった

その態度に先生は何かしらの反抗心を感じ取り

廊下にでも立つか?

と言った

少年は椅子から立ち上がるとすたすたと歩き始めた

廊下へ立ちに行ったのだ

「………」

クラス中が静まり返った

少年の規則正しい靴音が響き

戸が開けられ

そして閉められた

その時クラスの多くの女子がこの少年に恋をした

けど少年にはそんなことはどうでも良かった


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