第149話 御きつね様? (1)


「……えっ? あなた──あっ、あれは?」


「……ん? なっ、何んだ、あれは? ……本当に女が空に浮いているよ!」


 先程骨のオジサンの一人がね、慌てて俺達夫婦を呼びに……というか?


 俺を名指しで呼びに来たのよ。「魔王様、空に浮いている女が魔王様を呼んで来いと申していますが?」とね。


 だからその言葉を聞いたうちのカミさんは。それはもう大変にお怒りで、。


「あなたぁ、ああああああっ! まだ他にも町で、お蝶以外の女に手を出したのですかぁ、ああああああっ!?」


 大きな声を出しながら憤怒して俺を怒りまくってきた!


 それこそこの手のラブコメ仕様のワンシーンの様に。この後はうちのカミさんに、『噛みつかれるは! 爪で引っ掛れる!』はと、大変に酷い仕打ちを受け。


「うぎゃ、ああああああああああああああああああああああああああああああっ! しっ、知らないよぉ、おおおおおおおおおっ! おっ、俺は無実だぁ、ああああああっ! 町や村で、お蝶以外の女には、手などだしていないよ! 本当だから……フレイヤお願いだから堪忍してよぉ、おおおおおおおおおっ!」


 まあ、こんな感じでね、うちのカミさんに許してくださいと、嘆願をして許しを請う、俺ちゃんなのでした。あああ……。


 だってさ、こんな感じで溜め息も出るよね!?


 俺自身、お蝶以外は全く記憶にないから。うちのかみさんが何でこんなに怒るのかも、一切解りません?


 俺ちゃん無実の罪ですから……。



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