第147話 何かしら付いてきました? (78)

 その後は、「ん? なぁ~にぃ~?」と、尋ね返したんだ。俺はなってたって王様だからね。家のカミさんよりは、偉いんだぞ!

 と、いった感じでね、自分自身の背を反らして、威張って身構えてみたよ。『エッヘン!』と、いった感じでね。


 特にさ、先程だけど。俺はね、かなり傷ついたんだよ。爺さんと婆さん達が、俺をスケルトンしか、召喚できない、無能者と嘲笑うんだ。それもさ、俺に聞こえないようにと述べるんだよ。皆には先程、俺が愚痴のように述べたから、知ってはいるとは思うけれど。本当に頭にくるとは思わないかい?


 俺だってさ、もう少し時が経ってちゃんと、魔力を使いこなせるようになったら。天界の主神達と変わらない、魔力を使いこなせるようになると、うちのカミさんが、俺に教えてくれたから。きいっと大丈夫だと思うのだけど……。


 と、思っていると。俺の直属の家臣だと思う?


骨がね……。実は話しが又少しずれるけれど。爺さんや婆さん……。村や町の人達……。妻のお蝶や、このスケルトンは良くは解らないけれど。実際は俺の直属でもある筈の骨達の大半が、フレイヤ崇拝教のメンバー達でね、俺に連れ添い付いて回るよりも、いつもうちのカミさんの金魚のフンのように付いて回っているんだよね。


 だから『俺って本当に王様なの?』と、何度も思う事が多々あるよ。『あああ……』


 と、まあ、こんな感じで、愚痴を漏らしてしまってごめんね……。とにかく又話しを元に戻すからね。


『う~んと、う~んと……一体何処からだっけ?』と、思っているとね。


「あっ、あのう、魔王様……空に浮かんでいる女がですね。魔王様を連れて来いと──呼んでいるのですが…… 一体どうしましょうか?」


 と、青い顔……と、いうか、本当に青い顔になるんだよ。特にスケルトンで、雪のように真っ白い骨顔だから、俺が顔色変えるよりもハッキリと分かるんだよ。


『(笑)……事ではないね? 』


今度は俺の顔が青ざめてきた──何か背中に悪寒が走るから、『可笑しいな?』と、思って、『恐る恐る』と、後ろを確認すると。

 うちのカミさんが鬼婆仕様の形相で。

「あなたぁ、ああああああっ! 一体、これはどういうことぉ、おおおっ?」

 と、尋ねてきたから。俺は「しっ、しらん?」と、両手を挙げて、降伏のポーズをしながら頭を左右に振った……。だって、うちのフレイヤちゃん怖いんだも……。


 特にさ、あの顔をされると、日本で俺自身の身体を『バラバラ』に引き裂かれたのをついついと思い出す、走馬灯のようにね。

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