第142話 何かしら付いてきました? (73)

 するとね、「フレイヤ様──自分は馬にのる事が可能ですが?」と、手を上げる爺さん一名いたよ。だからさ、うちのカミさんは、「じゃ、貴方が今から、町へと行ってきなさい──そして町にいるお蝶に言って、町の者達を連れて、この砦を掃除するようにと伝えてきなさい」と、述べたけれど。その爺さんは。


「えぇ、ええええええええええええええええええええええええええええええええええっ! フ、フレイヤ様──今の儂は、老いていますから、非力で背筋も曲がっていますから。馬等乗れませんよ……」


 と、述べてきたの、でもね、うちのカミさんは、直ぐに『フン』と、いった感じで、妖艶に微笑を始めたよ。その後は「貴方は、確か、精霊になって若返りたいのですよね?」と、尋ねた。

「はい、そうですけど……どうかなされましたか、フレイヤ様?」


 う~ん、家のカミさんに、馬に乗れると申し出た爺さん、とても不思議そうな顔をして尋ねたけれど。

 俺はね、カミさんが、爺さんに『若返りたいのか?』と、尋ねた頃から直ぐに、『ピン!』ときて、何をするのか直ぐに解ったよ……と、いうか、皆さんも直ぐに分かるよね?


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