第141話 何かしら付いてきました? (72)

「う~ん、ですかね?」と、|家のカミさんが、少し悩んだ顔をしながら、辺りを見渡し始めたから、「うん、だよ」と、俺は取り敢えずは、告げてみたけれど。


 だってさ、本当にこの辺り一面は、この砦の者達だと思われる、人達の『バラバラ』死体からの血しぶきと──流れ出た血で、大変に汚れているよ。又ね、その血の量が大変に多いいのと、先程も述べたけれど。


『傭兵なのかな? 盗賊なのか? 解らない者達の切り裂かれた──顔や手や足、それに肉片等が、あちらこちらに散乱しているから。爺さんと婆さん達は嘔吐ばかりして役に立ちそうにないと? 俺は思うんだよ。』


 だからうちのカミさんに、『またまた』と、述べた。「あのさぁ~、フレイヤ?」「ん? なに、あなた?」「あのね、どう見ても、爺さんと婆さん達だけじゃ、片付け終わらないよ?」と述べて、「だって、先程から、死体を見ては、嘔吐ばかりしているから。あれでは無理だよ。仕事にならないよ、あの人達だけでは……」と、『駄目だこりゃ』と、でも述べたいような素振りを両手でしながら、うちのカミさんに告げたのだけど。


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