第140話 何かしら付いてきました? (71)

 だからさ、どうだこうだと、述べても、お蝶の件は黙認したからね。(笑)

 でもさ、少し気になる事もあったんだよ……


 う~ん、俺の気のせいかも知れないけれど……『うちのカミさん? も、もしかして百合なのかな? 』と、少しばかり思ってしまった。まあ、俺の気のせいかも知れないけれど。家のカミさんの、お蝶に対する様子が『変というか? まあ、ムードというか? その場の勢いというか? ノリもあったから、あんなモノなのかな?』と、余り深く考えないようにするよ。


 と、いう事で、俺は自身の頭を『ブルブル』と、左右に振って切り替える事にした。するとね、うちのカミさんが、自身の顎に指を当てて──少し考えると……と、いうか、何を考えているのだろうか?

 俺も少しばかり考え事して上の空だったから。良く解らないのだけど。


 う~ん、でもね、家のカミさん、こう改めて、じっくりと見てみると、やはり美の女神様だけあるなと、思うぐらい美しいよ。


 と、思っていたら「ん? あなたどうしたのですか?」と、不思議そうな顔して尋ねてきたから。「ん? あああ、綺麗だなと、思って見ていただけだよ」と、優しく述べた──すると直ぐにうちのカミさんは、「えええっ! そうですか、あなた?」と、尋ねながら、俺に抱き付いて甘えてきたよ。嬉しくて嬉しくて、仕方がない感じだね。


 だから俺は、「うん、綺麗だよ、綺麗……それよりも、先程も言ったけれど。この血糊の汚れどうするの? 爺さんと婆さん達だけだと。時間が掛り過ぎるんじゃないかな?」と、俺の頬や首筋に『チュチュ』して甘えてくるカミさんを抑えながら述べた。

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