第135話 何かしら付いてきました? (66)

 だから、"わらわ" は一度うちの主人に『フン!』と、鼻息を荒ただしてやりましたよ。一応はお蝶に件は "わらわ" も黙認をしましたが。いつまでも "わらわ" 自身の目の前で『イチャイチャ』しても良いとは述べてはいませんからね。

 ……でも家の主人は、『ムッ』としているいる "わらわ" の事等お構い無しに……それも笑顔を振り撒きながら。自身の座っている横を相変わらず『ポンポン』と、手で叩きながら「フレイヤ、早くおいでぇ~!」と、嬉しそうに呼んでくるのですよ。大変に機嫌がすぐれない "わらわ" にです……でもね、そんなうちの主人の純粋無垢な笑顔を見ると──ついついと、『ホロッ』となるというか……『許してあげようかな?』と、思ってしまうのですよ。


 周りから見ると、『浮気者を許すな!』と思われるかも知れませんが。"わらわ" は主人の事を心から愛しています……だってあの悲しい、地獄のような結婚生活の時でさえも、主人自身 両手で耳を塞ぎながら、涙を流しながら我慢をしてくれました。『不甲斐ない自分が悪いのだから、フレイヤ、お前は気にするな……』と、いつも優しい声を掛けてくれました。

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