第104話 何かしら付いてきました? (36)

 まあ、相変わらず訳解らない事を述べてくるよ。うちのカミさんは、でもまあ、そんな所が可愛んだけど……。


 でもさ、このままだと本当に不味いよね?


「えっ? いっ、いや、魔王様は来られてませんが?」


「クンクン……本当ですか、町長? 隠すと為になりませんよぉ~、解っているのですかぁ~?」


 と、下の部屋から今度は "ドス" の利いた、大変に威圧のある台詞が、町長に威圧を掛けているよ。


 マジでね、うちのカミさんの紅玉の瞳で睨んでくるで言い寄られると。本当に怖くてね……。あの瞳を見るとウソを付けなくなるんだよね。


 まあ、恐怖で怖くてという事もあるけれど。神々しいというか、神様にはウソを付けなくなるという感覚……。蛇に睨まれた蛙状態に陥るのだよ。


 だから俺は町長には、心の底から、『頑張れ! 頑張れ! 負けるな! 年の功で小娘何かに負けるな!』と、応援したくなる。


 ……ん?


 でも、うちのカミさん、神話の時代から生きているから。良く考えるとカミさんの方が年寄なのかな?


 

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