ディティール問題

<製作裏話>

 全長20メートル、7階ビルを横にしたくらいのデカい船。ちょっと気になっている部分です。昔は毎年海水浴に行っていて、うぇい系の人らがちょくちょく見せびらかしに停泊させていたりしたから、クルーザーの実物は知ってんですが。(乗ったこともあるしね)

 それでも7メートルか、せいぜい10メートル級のヤツだったと思うんで、こんなデカブツは想像が追いつかないのでした。


 だけど、カジキというのは、掛かれば掛かったで300キロ級とかがホイホイ引っ掛かってくる世界だそうで、ヒット数は週一とかなのに重量はヘビー級がゴロゴロという事情なんだそうで、それなりの大きさの船が必須というあたりを調べてきたんですが、なんというか、すげー世界ですナ。

 だからカジキを狙う船なら12メートルからのがゴロゴロで、いやはやすげー世界ですわ。だから全長20メートル7階ビル相当のお船っても、ぜんぜん大袈裟じゃないはずなんだけども、なんというか引っ掛かってしまってます。


 庶民には想像すら許されない天上の世界、てか。


 出てくるのは冒頭のシーンだけの予定なんだけど、一般人には想定のナナメ上な世界で、ちょっとディティールを疎かには出来ない感じっす。いやー、不安だ…。


 ひとつ、文学・文芸・ラノベの差に通じるトコなんじゃないかと思うけども、曖昧に済ませられる範囲がそれぞれ違うのですね。文学が一番厳密さを要求され、次いで文芸などエンタメで、いちばんユルくて自由なのがラノベ。これは、化学変化の方程式みたいなもんで、前提条件が厳しく取られるのが文学って話ですわ。


 テーマとかが試薬の役割をして、文学なら人間心理とかは厳密さを求められるとかの、そういうトコね。これ、ラノベだったら異世界とか超能力とか、割と自由に出せるけども、文学とか堅いトコの文芸はその設定の正確さを求められるってこと。

 曖昧に、その場その場で微妙に変化するようなのじゃご都合主義なのですね。化学実験に通じるものがあって、こういう状況下における、こういう心理はこの試薬を投入した場合にはどう変化していくか、みたいなことを書くのが「文学」なので。だから、非常に正確なとこを書かねばならないわけっす。


 同等に正確さを求めるのは正統派のトリック系ね。推理モノと呼ぶ時のミステリは、これ、背景とかはめっさ正確さを求められるわけです。ここをユルく曖昧にやられると、読者はモヤッとするからね。文学はそれが全編ってこと。


 で、全長20メートルのプレジャーボートは、リアルに沿ってるはずなんだけど、リアルが庶民感覚と乖離しすぎてる分野なもんで、不安でいっぱいだー!と。


 …どうしようもないんですが。(私の実力では)



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