第11話 神戦試合 トーナメント開始

「本日、只今より!子供の部!トーナメント第1試合を始めます。こちらの水晶、マナエクステンションに手を翳してください。このマナエクステンションを用いる事で、神戦を大多数の人が見る事が出来るようになります!」


 球技場の様な会場の真ん中に青緑に薄っすらとクリスタルの輝きを持つ1メートル程の大きな水晶に皆手を翳す。


 会場には2万人程おり、全員が手を翳している姿は正直異常だ。


 子供の部のトーナメント参加者以外は見る事が出来る。参加者が見てしまうと、対応がバレてしまうので公平性が無くなってしまう為の配慮だ。


 この試合をする子供二人がマナエクステンションを挟んで、手を翳す。


「「マナデュエル!」」


 第1試合が始まったのである。


 会場中の人が淡い光に包まれている光景は何とも言えない異常な光景とも言えた。



「何だかドキドキしてきた」


 参加者控室で待っているとナクルが声を掛けて来た。


「うん、俺も。これだけの人数に見られるのは初めてだよ」


 こんな大きな舞台に立ったことはない。しかも2万の視線とか緊張しない方がおかしいと思う。



「しかし、まさかこんなガキがトーナメントに残る何て初めてじゃないか?」

「いや、あのガキ『リザードマン』使いのヴァーダの息子らしいぞ」

「なら、親の力で勝たせてもらっているみたいなものか」

「羨ましいよなぁ。親が優秀だと」


 ヒソヒソという風に話しているが、明らかにこちらに聞こえるように喋っている。


「何、あの男達。アマロの凄さを知らないからあんなことを言うんだよ」

「いいよ別。言いたい人には言わせておけば」


 突っかかって行きそうなナクルを手で制する。


「何だ?俺達に文句あるのか?ああ?」


(もう、テンプレはお腹一杯なんだけど・・・)


「いえ、何もないですよ。ただ、親が優秀で羨ましいと言うのは気を付けた方が良いですよ」

「ああ?」


 そう言った男がガンを飛ばしてくる。


「だって、それは自分の親が無能って自分の親を貶しているって事じゃないですか。もしも親御さんの耳にでも入ればさぞ、悲しませることに思うのですが」

「んだと!?このガキ!」


 ヅカヅカと近づいて来る。


「いやですわね。これだから男は野蛮なのですよ」

「そうそう、残念ながらお嬢様に相応しい男はここにはいないみたいですね。残念な事に彼はまだ若すぎますし」


 隅の方で見ていた女性二人がそう声を出すと、男が舌打ちをして男グループの方に戻っていた。

 女性は先の会話からして何処かの貴族と従者だろう。1人はどう見ても成人しているしね。



「あ、あの。ありがとうございました。お蔭で要らぬ騒ぎを起こさなくて済みました」

「ほんと、あの男達見た目だけで判断しちゃってむかつくよね」

「こらナクル、そんな言葉遣いじゃ」

「構いませんよ」


 金髪ロールの色白な肌の令嬢に事を収めてくれたことに礼を言うと、見るからに貴族らしい相手にナクルが何も考えずに喋ってしまうが、人が良い貴族なのか助かった。


「しかし、貴方には少し興味出てきましたわ。貴方、お名前は?」

「アマロと申します。つい最近7歳になりました」

「まぁ、年齢の割に言葉遣いがしっかりしているわね。何処かの男達にも見習わせたいわ」


 ジロッと3人の男グループの方を睨み付ける。


「「「ぐっ」」」


 男達も相手が貴族だからか強く出れない様だ。


「私は、ナクル。12歳!」


 ビシッと元気よく手を上げて自己紹介する。笑うしかねぇ・・・。


「ウフフ。元気な方ね。私は、ユリア・シチセイ。ケンロウ・シチセイ伯爵が娘です。こちらは私の従者で」

「リンと申します」


 メイド姿のピンク髪で頭の左右に短くロールにしたリンがスカートの裾を掴んでお辞儀をする。


 何処かの世紀末の人達の様な気がするのは気のせいだろうか。


「は、伯爵様!?わ、私なんて言葉を・・・!」


 サーと血の気が引いていくナクル。


「あれぐらいでは気にしませんよ。それより、アマロと言いましたね?」

「はい。何でしょうか」

「先程の貴方の言い方だと、あの者達と揉め事が起こってもどうにでも出来るというように捉える事が出来たのですが?その点についてはどうなのでしょうか?」


(中々、鋭い)


「え・・・えっと。余程の方でない限りは自信はあります。父が『リザードマン』使いヴァーダなどと呼ばれている者なのでそれなりに鍛えさせられましたから」

「まぁ、あの『リザードマン』使いヴァーダの!?」


 むしろ、鍛えた側だが。っというか、伯爵の人にまで一目置かれている父さんってホント何者だよ。『リザードマン』がそんなに優秀なのだろうか、倒すのに苦労する魔物だからだろうか?分からん・・・。



「これは、貴方の試合が楽しみですわ!」


「「「「「「ワーー!!」」」」」


 外から歓声が聞こえて来た。


「どうやら1試合目が終わったようですわね」

「あ、それでは申し訳ございませんが、2試合目は私ですので失礼いたします」

「私と戦うまで負ける事は許しませんわよ!」

「ありがとうございます」


 ペコリと頭を下げてその場を離れる。


「アマロ!頑張って!」

「うん!」


 後ろからのナクルの声援にもこたえると、横に先ほど突っかかって来た男がやって来た。どうやら対戦相手の様だ。


 本人にだけ何試合目かという情報が渡され、対戦相手が誰かと言うのは分からないようにしている。


「これは良い。お前は親のお蔭で『リザードマン』を手に入れたんだろ?親のお蔭でこの場にいるという事を思い知らせてやるよ」


 やられ役の様な台詞に溜息を付く。


「お前!今に見てろ!ボコボコにしてやるからな!」


 無視して会場に出ると2万もの視線を歓声と共に浴びる。正直、勝負はこの緊張でまともにプレイできるかだ。普通にやれば正直相手にならないだろうからね。


「お前なんか『リザードマン』が何かいなければ只の雑魚何だからな!」


 イーと歯を見せてマナエクステンションの反対側に行く男。


「お待たせしました!では第2試合目は。あの『リザードマン』使いヴァーダの息子アマロ選手7歳と!」


「「「「おお」」」」


 『リザードマン』使いヴァーダの息子という事で皆が興味を示す。


「対する相手は、ヤラレ選手14歳です!」


(名前がひでぇ。そのままフラグ回収を是非ともして頂こう)


「それでは皆さん準備はいいですか!?」


 見学者も含めその場にいる全員が手を翳す。


「それでは始めてください!」


「「マナデュエル!」」


 マナフィールドが構築され、球技場の様な闘技場の不思議空間が形成される。その観客席にビッシリと人が埋まり、何故だか見やすいようにモニターまである。この世界では謎技術なのだが、神戦だから、神が作ったからで説明が終わってしまう。まぁいっか。特に困らないし。


「先攻は俺だ!手札を3枚下に送り、デッキから3枚引く」

「・・・んー」


 『リザードマン』が3枚。『ゴブリン』2枚か。何だか、あいつには『リザードマン』を使わずに勝手ギャフンと言わせたいけど、ナメプで神に怒られるかなぁ。倒せる自信あるし、きっと大丈夫だよね。


「どうした?手札が最悪か?負けを認めるなら今の内だぞ?」

「いや?・・・『リザードマン』を3枚下に戻して、俺も3枚引き直す」


 『リザードマン』を敢えて見せてデッキの下に置いて引き直す。完全にナメプだ。俺は相手にそんな事をされたらやる気がなくなるタイプなのだが、ちょっとむかつく相手なので気にしない。


(神戦を娯楽として見ている神はこれをどう判断するだろうか・・・)


「お前!何の真似だ!」


 怒声を上げるヤラレ。観客も何のつもりだと騒めきだす。


「いや、『リザードマン』を使ったら親のお蔭ってそのヤラレっていう人が言うものだから使わないで置こうかと思いまして」


 わざわざ目立ちに行くつもりもないが、馬鹿にされたくもない。特に低次元の所に高次元のものが来れば、面倒事になるのは決まっている。かと言って、子供だからといちいちこういうテンプレみたいな面倒事を毎度起こしたくもないから一度、力を皆の前で見せた方が良いのではと思った。そっちの方が勧誘の面倒事はあっても争いの面倒事は減るはずだ。


 徹底的に潰すと思ったからだろうか、神は何も干渉してこなかったようだ。


「クソが!ガキが調子に乗りやがって!なら、お前は『リザードマン』を使えば反則負けだからな!いいな!」


 指を指して喚き散らすヤラレ。


「ちょっと!神戦試合に勝手にルールを使いされたら困ります!しかも、一方的に不利になるルールなんて!」

「いえ。構いませんよ」


 司会者が困っている所にニッコリと問題ないと言う。


「ちょ、ちょっと待ってください・・・」


 近くにいたもう一人の司会者か責任者だろう人に話をしている。


「えー。神戦、マナフィールドに異常がなければ良いとの事ですので、えーっとアマロ選手が『リザードマン』を使わずに勝負をする事になりました!本当に構いませんね?」

「ええ。『リザードマン』は使いません」


(『リザードマン』はね)


「そ、それでは、始めてください!」


「後悔しろよガキが!デッキからマナゾーンに5枚置いてコスト2『ラビット』コスト2『ゴブリン』コスト3『ナックルモンキー』コスト3『ホブゴブリン』コスト4『タイガーウルフ』をスキルデッキからコスト合計14支払い召喚!」


 初めて見るユニットが出て来た。


『ホブゴブリン』

 ゴブリンより10cm程身長が高く、手には木の棒ではなく、棍棒を持っている。

 コスト3

 維持コスト 1

 攻撃力   3

 体力    2

 タイプ:ゴブリン

 起動効果:〔コスト:自身レスト〕

      棍棒投げ 対象のユニットに2ダメージを与える。



(ふむ。2ダメージは地味に厄介だな。放置は出来ればしたくないが・・・最初の頃の父さんを参考にすると心配する必要があるのか疑問だ)


「これでターンエンド!フフン」


 『タイガーウルフ』は子供の中では強い部類に入る。その為かドヤ顔をしている。


 ヤライ 手札0枚。マナカード5枚。スキルデッキ36枚

    

「それじゃぁ、俺のターン。デッキからマナゾーンに7枚置く。マナカードから手札に1枚加える」


(これは・・・もう蹂躙しろと言っているようなもんだよね・・・)


「カードを裏向きで6枚伏せてターンエンド」


「ぶははは!生意気いっていた割に全部裏向きだとさ!それでよくここまで勝ち残って来れたよな!やっぱり『リザードマン』のお蔭じゃないか!ぶはははは!」


 大爆笑するヤライ。それに便乗して、観客席からも笑い声や呆れる声が上がる。


(くう、この視線は辛い・・・試合に集中すれば気が紛れるかと思ったけど流石にこれは無理だ)


 視線と笑い声に体が縮こまってしまう。


「あ、アマロー!そんな奴。けちょんけちょんにしちゃえー!!」


 観客席からメルティアの声が聞こえ、振り向く。


「そうだ!アマロ!娘の愛を受け取ってやってくれー!」

「ちょ!」


 メルティアが顔を真っ赤にしてメイガンをポカポカしている。


「「「「「アマロー頑張れー!」」」」」


 観客席から村の皆が応援してくれる。父さんも良い顔をしてサムズアップしている。しばきたい。


(・・・でも、大丈夫そうだ)


 気持ちが落ち着いた。観客席の皆に向かってサムズアップ。


「勝てるもんならやってみろや!雑魚が!」


 つい調子に乗ってしまった。


「調子に乗りやがって!」


(乗ってます)


「俺のターンだ。デッキからマナゾーンにカードを5枚置き、維持コストをスキルデッキから合計4支払う。そして、マナゾーンからカードを1枚手札に加える。フフフ、運が良い!スキルデッキからコスト4を支払い『タイガーウルフ』を召喚!」


 「おー」と観客席がざわつく。『タイガーウルフ』2体でも子供なら凄い方なのか?


「行くぜ!まずは『ラビット』でプレイヤーに攻撃!」


「スキルデッキからコスト2を支払い『強制召喚』を発動!このカードの効果はバトルフェイズでも裏向きのユニットを表向きにして召喚できる」

「ふん!そんな無駄なコストを払うくらいなら先に表向きで召喚していれば良かったものを!」


(分かってないなぁ。攻撃してきたユニットに対して強いユニットで不意に妨害して一方を取る為のカードだよ)


「俺は『強制召喚』の効果により、マナカードでコスト5を支払い『ウッドマン』を召喚する!」


「コスト5だって!?」

「いや、親があのヴァーダなら可笑しくはない」



『ウッドマン』

 大木に染みで浮き上がる様な不気味な顔がある。いくつもの木の枝を触手の様にしなやかに伸縮自在に動かす。3メートル程。根っこが足。


 コスト5

 維持コスト 2

 攻撃力   2

 体力    6

 タイプ:植物

 自動効果:ユニットに攻撃した時に防御された場合、攻撃対象と防御対象両方にダメージを与える。

 自動効果:レスト状態でも防御出来る。


「『ウッドマン』で『ラビット』防御!」


 『ウッドマン』が伸ばした枝に『ラビット』が飛びついてカジカジしている間に横から枝に貫かれて『ラビット』きゅ~っと消えて行った。


「それなら、『タイガーウルフ』でプレイヤーに攻撃!」

「マナカードでコスト2を支払い、『プチファイア』で『ホブゴブリン』に2ダメージを与える」

「自らライフを減らすとは馬鹿だな!スキルデッキからコスト2を支払い『シールド』を『ホブゴブリン』に発動する。残念だったな!」


(決めつけ早いよ)


「マナカードでコスト3を支払い『ファイア』を『ホブゴブリン』に発動!」

「ガキのくせに『ファイア』だと!?なら『ホブゴブリン』の効果!棍棒投げで『ウッドマン』に2ダメージだ!」


 その後そのまま『タイガーウルフ』の攻撃を貰い、マナカードが1枚手札に加わる。『リザードマン』だった。いらねー。というかもう必要なさそうだけど。


「ぶははは!これで止めだ!『ゴブリン』でプレイヤーに攻撃!『ファイア』には驚かされたが、お前が雑魚だったな!ぶははは」


(だから何故、これで勝てると皆思うんだ・・・)


「スキルデッキからコスト1を支払い『石礫』で『ゴブリン』に1ダメージ」

「馬鹿め!そんなのが通用するはずないだろ!スキルデッキからコスト2を支払い『シールド』発動だ!」

「なら、『ウッドマン』で防御する」


 『ゴブリン』体力1と『シールド』の体力2。『ウッドマン』の攻撃力が2の為、伸びた木の枝が『ゴブリン』を縛り上げて絞め上げるが、木の枝を引きちぎられ、ギリギリ抜け出されてしまう。


「な!?レスト状態で防御出来る何て!」


(相手のカードの能力を見ようねー)


「くそ!しかし、ここまで来てそいつを放っておくわけには!スキルデッキからコスト2を支払い『プチファイア』を発動!」


 『ウッドマン』は『ラビット』と『ゴブリン』合計4ダメージで残り体力が2。


「スキルデッキからコスト2を支払い『シールド』を発動」



「・・・くそが!ターンエンドだ」


 地面を踏みつける。意地でも倒しに来ると思っていたのだが。


 ヤライ 手札0枚。マナカード9枚。スキルデッキ23枚

  『タイガーウルフ』2体。



「俺のターン。デッキからマナゾーンに5枚置いて、『ウッドマン』の維持コスト2をマナカードで支払う。そして、スキルデッキからコスト8を支払い・・・」


「「「「「コスト8!?」」」」」


 ヤライと観客席が騒然とする。村の皆もだ。父さんだけは。


「行けーやっちまえー!」


 知っていたからこんな感じだ。


「『ウッドキング』を召喚!」


「が、ガキがどうやってそんなユニットを手に入れやがった!やっぱり、親の力だな!はっ!」

「はぁ、もう。信じないならさっさと終わらせてやるよ」


 元からそのつもりだが、魔法はあまり見せるつもりはなかったのだが仕方がない。


「『ウッドキング』でプレイヤーに攻撃」

「受けるわけがないだろ!『タイガーウルフ』で防御!」

「スキルデッキからコスト6を支払い、魔法スキル『疾風』を発動」


「「「「「コスト6」」」」」


 またしても観客が騒然としてしまう。


「やれー!やっちまえー!」


 そして、この親だ。


「何だそれは!?」


(知らんのかい!)


「防御に選ばれたユニットには防御されないという効果だ!よって!お前に直撃と言う訳だ!そこで更にコスト4をスキルデッキから支払い『ハイ・ストリング』を発動!攻撃力を4上昇する!」


「ふ、ふざけるな!なんでそんな中級魔法を使えるんだ!スキルデッキからコストを合計6支払い『シールド』を3回発動!これでダメージは0だ!」


(流石に基本魔法なだけあって一杯入ってるな。人のこと言えないが)


「じゃぁ、もう一回頑張って防いで」

「は?」

「スキルデッキからコスト4支払い『躍動』発動。ユニット1体をスタンドする」

「そんな!?」

「そう、もう一度『ウッドキング』で攻撃だ」


(く、くそ。これなら『シールド』でなく攻撃魔法にしておけばよかった)


 ヤライが悩んでいる間にも『ウッドキング』が立ち上がる様に体を揺らし、ヤライに迫る。


(くそ!くそ!倒そうにも『ファイア』2回と『プチファイア』を1回使わないといけない。あいつに『シールド』で簡単に防がれてしまう。どうあがいたって倒せない・・・いや・・・もう賭けだ。やるしかない!)


「スキルデッキから合計コスト8を支払い、コスト3『ファイア』を2回、コスト2『プリファイア』を発動!」

「まぁ当然守るよね。スキルデッキからコスト2を支払い『シールド』」

「まだだ!マナカードからコスト3を支払い『ファイア』を発動!どうだ!」


(どうだと言われてもなぁ・・・)


「スキルデッキからコスト2を支払い『シールド』発動」


 やる気ない声で『ウッドキング』を守り、相手のマナカードを全て割る。


「それじゃ、『ウッドマン』で攻撃ね」


 ベチンとヤラレの頬をぶち叩いて神戦が終了した。


「くそ!『リザードマン』以上のユニットを親の力で手に入れていたとは!この卑怯者が!」


 怒鳴られる。


「・・・もう、面倒だな。これで納得するか?」


 サンダーボルトを空に向かって放つ。稲妻が上る様を観客席が唖然と見送っていた。


「・・・で?」


 ヤライを睨み付ける。


「・・・すいませんでした!」


 ジャンピング土下座を初めて見た。


「しょ・・・勝者!アマロ選手!素晴らしい試合でした。彼の今後に誰もが期待している事でしょう!両選手に拍手を!」


 司会者の声で正気に戻った観客がパラパラと拍手をして次第に大きな拍手となった。



「おい!ヴァーダ!何だお前の息子は!?お前もあれだけの事が出来るのか!?」

「フッ。ギリギリな・・・」

「ギリギリ!?嘘だろ!?」

「実は、あいつ。俺よりも強いぞ。あいつが『ウッドマン』や『ウッドキング』を使いやがったから俺も持ってるとバレるから言うが、ここだけの話。『ウッドマン』と『ウッドキング』はアマロのお蔭で俺は持っているようなもんだ」

「ま・・・まじかよ」


 メイガンとヴァーダの会話を聞いていた村の皆が唖然としたのであった。


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