番外 あれから…


誕生日会から時は流れ、今は3月の中旬、ホワイトデーも終わった頃だ。昼食の後で、俺とキングコブラ、姉さん達はろっじの広場に集まっていた


「さて…やってみるか」


「頑張れー!」


別に応援される程のことじゃないけど…素直に受け取っておこう。もしかしたら何か変わるかもしれないし


「いくぞ──『変身トランスダーク』!」


いつも通りの掛け声。いつも通りの形態変化。いつも通りの獣の特徴


そうなる、はずだった


「…やっぱり、か」


特に何も変わっていない。この形態の特徴である、鋭い牙、爪はなく、象徴であった漆黒の大きなコウモリの翼は見る影もない


俺は、吸血鬼の魔力を、お嬢様の力を発揮できなくなった


「やはり、ヘルへ移ったと考えるのが自然だろう。その切っ掛けは…」


「あの日…だね」


あの日とは、2ヶ月以上前にもう一人の自分が起こした事件の日のこと。あの時に俺の力は完全に覚醒し、けものの奇跡は起こり、姉さん達は復活した。あの事件は “幻影異変” と名付けられた…のはどうでもよくて


リル姉さんは俺の中にあったフェンリルの記憶を、ヨル姉さんはヨルムンガンドの記憶をそれぞれ受け取り、昔と変わらない姿と記憶を持って復活した


けどヘル姉さんはそうじゃなかった。昔はそれこそカードゲームのモンスターのような容姿だったのに、復活した姿はお嬢様と先生を足して2で割ったようだった。それは今日こんにちに至るまで変わっていない


ヘル姉さんはあの二人と因縁があった。あったが故に、俺のその二人との記憶と、お嬢様の力を媒体にするのが適任だとサンドスターが判断した。その際、俺の身体に残っていた吸血鬼の魔力が、彼女の方に移っていった…こんなところか


「ごめん、コウ…。僕のせいで…」


「気に病むことじゃないよヘル姉さん。元々俺の中には無かった力だ、元通りになっただけだよ。だからこれでいいんだ。俺の “とくべつ” 、大切にしてね?」


「とつべつ…」


とくべつ。嘗て “セーバルさん” がサーバルさんから受け継いだもの。それのおかげで、セーバルさんはセルリアンからフレンズになった。それと同じようなものだと俺は考えている


俺の中に魔力が残っていたのは、きっとこの為だったんだ。ヘル姉さんがフレンズになる為に、俺達と一緒にいる為に


寂しくないのかと言われれば寂しい。でもこの世界から、あの二人がいたという事実が失くなったわけじゃない。俺達の絆は、決して失われたわけじゃないのだから


「それに、一つ考えがあるんだ」


「考え?」


「そう。改めて──『変身トランスダーク』!」


もう一度、その名を口にする。サンドスターの輝きが俺を包みこむ


「あっ…それ…!」


「そう、これ……くっ…!?」


…はぁ。流石にまだ、上手くはいかないか


「今のって…もしかして…!」


「そういうこと」


一瞬だけど、俺に現れた獣の特徴。それは鋭い牙、爪。そして、漆黒の大きな一対の翼


それはまさしく、慣れ親しんだあの姿だ


理屈は簡単だ。俺はキメラのフレンズ。俺の中には色々なフレンズのサンドスターの性質が流れている。それはキングコブラのような一般のフレンズや姉さん達やオイナリサマのような守護けもの、四神達までたくさんだ


その中にあるコウモリとオオカミの性質をかき集め、牙、爪、翼を再現。そこに守護けものの力を上乗せすることで、前と遜色無い力を発揮する。俺の体質だからこそ出来る芸当だ


でも結果はご覧の通り、二秒維持できるかどうかって感じだ。ただこれは他の変身トランスと同じようなものだから、地道に努力して慣れていくしかない


「まだまだこれからだからさ、修行に付き合ってよ、ヘル姉さん?」


「…うん!もちろん!」


その力が残っていたからこそ、俺は自分の力を次の段階へと進めることが出来たんだ。もっと自分を知ることが出来たんだ。だから、俺はそれが無くても大丈夫


その力は姉さんが使ってね。パークを、皆を守るためにさ






◆◆



それからは、修行だったり、パーク巡りだったり、ろっじでのお仕事だったり


特殊な来客があったり、様々な過去のイベントを真似て開催してみたり


あっという間に、年月は過ぎていった




◆◆◆




「そろそろか?」


「予定だとそろそろだね。…あっ、噂をしたら」


時刻は夕方。遊園地の近くにある仮の駐車場で、俺とキングコブラはとある人物を待っていた。遅れてリル姉さん達もこの場所に来た


バスが停車し、その人物が降りてきた


「ただいま…でいいんだろうか?」


「いいんじゃないですか?ね、コウくん?」


「いいと思うよ。おかえり、父さん、母さん」


「なら…「ただいま」」


「パパ!ママ!」

「父上!母上!」

「お父さん!お母さん!」

「「「おかえり!」」」


「リル、ヨル、ヘルもただいま」

「元気そうでなによりです」


言葉を交わして、抱き合う俺達。こうやって会うのはおよそ三年ぶりになる。それは当然、姉さん達も同じだ


「荷物運びは俺に任せて。キングコブラと姉さん達はご飯の準備をお願い」


「了解した。存分に腕をふるってやろう」


「ミドリ、お前も手伝っt」

「私も手伝いますね!」

「…頼む」


くいぎみな母さん。きっと娘達と料理するのが楽しみでしかたがなかったのだろう。四人を連れてスタこら行ってしまった。勿論小物は持ってってもらったけど、それでもまだまだ荷物はありそうだ


「これを持っていけばいいんだね?」


「ああ、それ重くてな。すまないが頼む」


「はーい」


父さんにとっては重い荷物でも、俺にとってはそうじゃないものが多い。フレンズの身体能力を存分に振る舞って大活躍するぞ!


というわけで、変身トランスクラウドを使って運んでいく。この三年でヤマタノオロチの頭の扱いも手慣れ、自分の手足のように使うことができている。小さな箱なら運べるから、往復する回数を大幅に軽減できる


ただそれをした後は凄く疲れるから、よっぽどのことがない限りは使わないことにしている。あと俺のはあの人とは違って大きくて場所も取るしね


「そこら辺に適当に置いておいてくれ。後は自分でやっておくから」


「ん、分かった」


外から中へせっせと運んでいく。少しでも整理する時間を作ってあげたいからね


因みに、今日来たのは父さんと母さん、そしてミライさんだけだ。そしてミライさんはさばんな配属らしい。あそこにはかばんさんとサーバルさんがいるから(ミライさんが暴走しない限り)心配はいらないだろう


明日から順々に、他のパークスタッフの引っ越し作業が始まるらしい。どこに誰がどのくらい来るかは知らないけど、手伝えることは手伝おう。主に両親をだが


「…っと。これで、全部かな?」


「そうだな。流石に早いな、ありがとう」


「どういたしまして。 …ところで父さん、例の物は?」


「安心しろ、ちゃんと持ってきたから」


積まれた荷物から少し離れた場所に置いてあったショルダーバッグから、父さんはある物を取り出した。これは、俺が父さんにこっそり頼んでいた、待ち望んでいた物だ


「ごめんね、無理言っちゃって」


「息子からの可愛い頼みだ、無理なものか」


「…本当にありがとう」


「どういたしまして。さて、ご飯食べに行くか」


「うん」


お礼を言って、俺はそれをポーチに大切にしまう。一生に一度の、宝物になるそれを



*



皆が寝静まったころ、俺はキングコブラを外へ連れ出した。夜空には満天の星と満月。明かりなんて必要ないくらいに道を照らしてくれていた


「どう?久しぶりの夜の散歩、気持ちいいでしょ?」


「あぁ、暑くなく寒くなく。とても過ごしやすい。しかしどうしたんだ急に?」


「んーとね、ちょっと話があってさ」


「話…か。聞かせてくれ」


流石に急なお誘いだったからか、少しだけ不思議には思っていたらしい。だけどどうしても連れ出したかった。これを渡す、絶好のタイミングだと思ったから


「昔、山で俺が言ったこと覚えてる?」


「勿論覚えている。忘れるわけないだろう?」


「そっか。よかった」


俺は君に言った、『俺と夫婦になってほしい』と。『結婚して綺麗な指輪を渡す』と



「あの時からずっと、俺の気持ちは変わってない。ずっと一緒にいたい。隣にいたい。だから──」



ポーチから小さな箱を取り出す。そして片膝をついて、彼女に向けて、それを開けて言う




「──キングコブラ。俺と、結婚してください」




それは、密かに父さんに頼んでおいた結婚指輪。小さな宝石が1つ添えられた、わりとシンプルなもの…だと思う。プロポーズから約三年。ようやく、本物の指輪を用意できた


いきなりだったからか、彼女は瞳を大きく見開いた。差し出したそれを、じっと見つめていた




「──喜んで」




彼女は微笑んで、そう言ってくれた



「つけてくれないか?その指輪」


「勿論」



彼女の左手をそっと取り、指輪をその薬指にはめる。当たり前だがサイズはピッタリで、とても綺麗で、とても似合ってる



「お前の分はどこだ?」


「俺の?俺のはここにあるよ」


「それ、私がつけていいか?」


「…勿論。はい」


ポケットから出したもう1つの箱を渡すと、彼女は同じく丁寧に指輪を取り、俺の左手の薬指にはめてくれた


お揃いの指輪。俺達の気持ちも一緒。それがなによりも嬉しかった



口づけをして、抱き締めて、好きを何度も言葉にした



俺は本当に、幸せ者だ








そして、その翌月



「貴方達二人は、お互いを支え合い、愛し合い続けることを誓いますか?」



「「誓います」」



「では、誓いのキスを」



隣に立つキングコブラと向かい合い、そっと、触れるくらいのキスをした



『ご結婚、おめでとうございます!』



盛大な拍手と歓声。少し照れくさかったけど、それ以上に嬉しかった



俺達は、ろっじで結婚式をあげた



純白のウェディングドレスを着た彼女は、それはそれは綺麗でした。姉さん達がカメラで激写しまくっていた。後でアルバム用に数枚もらわないとね


父さんと母さんは涙を流していた。それが嬉し泣きだってことは、言われなくてもちゃんと分かっていたさ。つられて俺も泣いちゃったよ


お祝いの言葉をたくさんもらった。ぺぱぷにハンター組にろっじ組に。出会ったフレンズ達全員に。ミライさんにも、カコさんにも、園長トワさんにもね


友人スピーチをしてくれたのは、ジェーンさんとオオカミさん。二人ともしっかりとしたスピーチをしてくれた。昔のことも交えた内容だったから、懐かしくてまた泣きそうになった


披露宴も滞りなく進んだ。二度目のケーキ入刀もすんなりだ。けどまたあのバカ高いケーキ作ったのはなんでだよ。なんかのノルマでもあったのか?



そして、一番話題になったのが



「さぁ、受け取ってくれ!」



キングコブラによる、ブーケトスだ



いやぁ盛り上がったね。というか怖かったね。まぁたぶんあれは結婚に憧れて向かっていったっていうよりも、記念としてブーケを手に入れたいって気持ちが強かったんだろうけど。それにしても皆凄い形相だった


弾かれ飛んで、誰も掴めず転々とするブーケ。何度かそれを繰り返し、ついにストンと地面へ落ちた



「「あっ…」」


「えっ?」

「ほう…?」



落ちた先にいたのは、後ろの方で見守っていたジェーンさんとかばんさん。二人のちょうど中間に綺麗にブーケは落ちた


「かばんちゃんよかったね!」

「えっ!?で、でも僕まだ…」

「大丈夫!かばんちゃんは可愛いから直ぐに結婚できるよ!」

「え、ええー!?///」


「まさか、だな」

「驚きです…」

「大丈夫、きっと好い人と一緒になれるさ。ジェーンは可愛いし、優しくて良い子だから」

「は、はい…!///」


サーバルさんとコウテイさんの追撃。実際そうだからあんなに照れなくてもいいのに


あと俺達は知っている、二人には良い感じの人が既にいるということを。情報網は秘密。もしかしたら、そんな未来は遠くないのかもね


ヒトもだいぶ増えた。あの二人だけじゃない、きっとここにいる子達も、誰かと恋をして、愛し合って、いつか結婚するだろう


その時は、俺も心から祝福する


皆の未来が、幸せになるように







「ラッキーさん、キングコブラは…」


「モウ少シ待ッテネ」


「私は大丈夫だ。だからそんなに慌てるな」


「でも…」


それは、結婚式から約3ヶ月後のことだった


彼女の体調が良くないらしい。少し体温が高かったり、吐き気があったり。最初は気のせいだと思っていたけど、最近ずっと続いているから流石におかしいと思ったようだ


俺も彼女も、その原因となるものの検討がつかないでいた。食事のバランスは特に問題なかったし、肌寒い夜もキチンと対策していた


それでも、彼女の体調は崩れた。もし未知のウィルスだったら?新手の病気だったら?もしそうだとしたら俺は何が出来る?嫌な考えがぐるぐる廻り続ける



「キングコブラ」


「「ゴクリ…」」



「オメデトウ。モウスグデ妊娠2ヶ月目ダヨ」



「「…」」



…ん?



「ラッキーさん、もう一度お願い」


「オメデトウ。モウスグデ妊娠2ヶ月目ダヨ」


「…もう一度頼む」


「オメデトウ。モウスグデ妊娠2ヶ月目ダヨ」


「「…」」



妊娠…



妊娠…?



それはつまり…



彼女は妊娠した!?←パニック



「ナナナナナナナンデ!?妊娠ナンデ!?」


「ソレハ勿論コウトキングコブラガk」


「そういう生々しいことは聞いてねぇ!俺の身体じゃできないんじゃなかったの!?なぜこうなった!答えろ!答えてみろルドg…ラッキーさん!」


「アワワワワ…」


「い、一旦落ち着け。ボスを置いてやれ」


「いやでもだって…いやこれだって…!」



スパァンッ!



「だったい!?」


「いいから落ち着きなさい。男でしょ?」


おもいっきり頭をひっぱたいたのはキュウビ姉さん。そのハリセンは一体どこから持ってきたんだ。なんで後ろにいるオイナリサマまで持ってるんだよ


「だって姉さん、俺の身体は…」


「そうね、確かにああいう結果だったわね」


「なら…」


「どうやら、その問題はもう解決していたみたいですね」


「…どういう、ことですか?」


まだよく分かっていない俺の頭に、オイナリサマがお札を貼り付ける。と同時に、ラッキーさんが俺の身体をスキャンし始める。これは前回やったことと同じだ


「…やはり。貴方の中のサンドスターの巡りが、あの結論を出した時と全く違います。いえ、これは違うというより、治ったという方が正しいのかもしれません」


「…えっと?」


「あの時のあなたは、謂わば異常な状態だった。それが心身の成長、能力の覚醒と成長、四神の力の受け継ぎ、ヘルへの魔力の移行…。それら全てが重なった結果、あなたの体質は正された。これであなたは正真正銘、私達と同じになったってことね」


…つまり、『元々繋ぐことができなかった』んじゃなくて、『できない状態だった』ってことか。時が流れた結果、この現実に追い付いた…と


ただ『同じになった』だから、寿命に関しては変わっていないみたい。でもそれに関してはもう気にしてない。彼女がそれを気にしていないから


「サンドスターって、やっぱり凄いんだな…」


「サンドスターの影響もそうだけど、これはあなたの頑張りも大きかったと思うわよ?」


「努力が身を結んだ結果です。本当に、よく頑張りましたね」


「…はい」


この力を使いこなすために、たくさんの努力をしてきた。それは全部が繋がっていた。そう言ってもらえたことが凄く嬉しくて、その事実が嬉しくて、自然と涙が流れた


「それにしても…ウフフ♪」


「グスッ…なにさ…?」


「やることはやってたのね♪」


「「なっ…!?///」」


「いいのよ、夫婦だしするのはおかしいことではないわ。末永く御幸せに~♪」


「うるせーよ!」


ホント一言余計なんだよ!俺の涙返せ!




*




「…こんなもんかな」


「それしか書いてないのか…」


「これ以外書くこと思い付かなくて…」


「…まぁ、気持ちは分からなくもない」


今日の日記に書くことなんてこれしかない。今日したことが、これによって全て書き消されてしまった。そんなこと予想もしていなかったから仕方ないと思うんです


「子供かぁ…。俺は、良い父親になれるかな?」


「なれるさ、絶対。…私は、良い母親になれそうか?」


「なれるよ、絶対」


俺がなれるのなら、絶対に君もなれる。君がいるから、きっと俺もなれる。俺はそう信じてる


彼女のお腹に、そっと手を添えてみる。ここに命が宿っていることが不思議だ。まだ見た限りの変化はない。お腹が大きくなるのはこれからだ


「どんな子が生まれるのだろうな?」


「予想つかないなぁ。だからこそ、楽しみだね」


男の子かな?女の子かな?俺達のどっちに似るのかな?フレンズの特徴が出るとしたら何が出るのかな?もし出たら、その時は力の使い方も教えなきゃね


名前も考えなきゃいけない。育てる知識も道具も準備しなきゃいけない。親になる覚悟も持たなきゃいけない。やることなすことは、数えきれないほどある


それでも楽しみだと言えるのは、君と一緒だから



「これからもよろしくね、お母さん?」

「こちらこそ、お父さん」



気が早いけど言い合ってみる。なんだか可笑しくて、自然と笑みが溢れた





◆◆◆◆◆





「おはよう、キングコブラ」


「おはよう、コウ」


俺よりも早い時間に起きて、彼女は朝食を作る準備をしている。相変わらずエプロン姿が可愛い


「ん?あの二人は?」


「まだ寝てる。寝顔見てたら起こせなくなっちゃった」


「親バカだな?」


「それはお互い様だよ。それに、見たら起こすなんて考え直ぐに消えるよ」


「ほう…?」


一旦手を止め、彼女は部屋に向かった。数分して帰って来た彼女の顔は、珍しく緩んでいた


「ね?」


「あぁ、あれは起こせないな」


思い出したら俺もニヤニヤしてきた。だって可愛いんだもの仕方ないのよ



ピロピロピロ!ピロピロピロ!



「あっ、この連絡は…」


「久しぶりだな」


通信機が鳴り響く。これは少し大きめなセルリアンが出た合図だ。最近は落ち着いてきたかと思ったけど、まだまだ完全にはいなくならない



つまり、俺の仕事はまだまだ終わらないってことだ



「朝御飯は作っておくから、さっさと倒して帰ってこい」

「了解。いってきます」

「いってらっしゃい」



外に出て、空を飛んで、目的地まで一直線。全力で倒して、全力で帰ってこよう。朝御飯が冷める前に、あの二人が起きる前に



愛する家族がいる、大切な場所に!















ジャパリパークキョウシュウエリア。ここには不思議なフレンズがいる



ある人が言った。あれは『コウモリ』だと



ある人が言った。あれは『オオカミ』だと



ある人が言った。あれは『ヘビ』だと



ある人が言った。あれは『キツネ』だと



ある人が言った。あれは『カラス』だと




統一されない答え。見る人や時によって変わる姿




だがそれは全て正しく、それは彼の一部でしかない




何故なら、彼は『キメラのフレンズ』




幻想の けもの なのだから

















おしまい

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