第94.5話 博士と助手と◯◯◯その5


どうも、アフリカオオコノハズクの博士と、助手のワシミミズクです。ペパプが遊園地のステージでライブをするとのことなので、我々はここ数日ステージの手入れをしています


他の暇そうなフレンズも連れて来ています。ベンチを直してもらったり、道具をセッティングしたり、大掃除をしたりしています。全く、長も楽ではない…と何回も言っている気がしますね


それと、周辺のセルリアン退治もお願いしているのです。前回のライブでは水を差されましたからね


それが原動力となったのか、遠いちほーから先に来ていたファン達が積極的に手伝ってくれたのです。それはもう鬼の形相でパッカパッカと倒していました。戦闘力が上がっている気がするのですよ…


…さて、いい感じに終わりました。後は明日の朝にでもチェックすれば問題ないでしょう


「皆、お疲れ様なのです。ゆっくり休んで下さい」

「協力感謝するのです。明日もよろしく頼むのです」


協力してくれたフレンズ達に特製ジャパリまんを配ると、皆散り散りに去っていき床についていきます


「あとはあいつ等ですね」

「まだやっているようですね」


会場から楽屋裏に向かいます。そこではペパプ達がライブの最終確認をしているのです。その場所へ近づくごとに、段々と声がハッキリと聞こえてきます


どのようになったのか、少し覗いて──



「闇の戦士、ライダーセルスカーレットWTダブルツインマークツーセカンド、推参!」


[キャー!カッコいいー!]


『待っていたぞ、ライダ…永遠の二番手!そんな貴様に相応しい相手を用意した!』


「ふん!誰が来ようと……ま、まさか…!」


【お兄ちゃん…その女…誰?】


『お前の妹は【怪獣ヤンデレグマ】になった!どうだ?たった一人の妹を倒せるのk』


「許せ最愛の妹よー!」ドギャアアンッ!


【大好きだったよー!】ドカアァンッ!


『判断速すぎぃ!?くっ…ならば奥の手だ!ライヘラ真拳究極奥義〔蛇王の盾〕!』


〔私自身が、ガードベントになる事だ〕


「姑息な手を…」←容赦なく攻撃しながら


〔ファイナルベント!蛇の軍勢アイオニオン・ヘタイロイ!〕←ライヘラを攻撃しながら


_人人人人人人人人_

> 突然の裏切り <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄



──何してんだこいつ等



*



「今のを本番でやるのですか?」


「いや博士、流石にあれはやらないよ…」


どうやら練習関係なく遊んでいただけのようです。テンションが上がりすぎて全員が暴走したみたいですね。いやそうはならんやろ…なのです


こいつ等がやっていた(やっていましたよね?)のは、かつてパークであったヒーローショー、『仮面フレンズ』の練習なのです。脚本を書いたオオカミと、進行役のマーゲイの指導の元、練習は着々と進んでいたようなのです。…本当に?


配役は…コウがメモをしていましたね。何々…?


仮面フレンズ:コウ

ヒロイン(人質):ジェーン

勇敢な人:サーベルタイガー

敵:ライオン、ヘラジカ、キングコブラ、ヒグマ


…敵役がガチな面子なのは気のせいでしょうか?あと勇敢な人とは一体?


「ねぇ、練習は本当にあんな感じでよかったの?」


「はい!本番もその調子でお願いします!アドリブをガッツリ入れても大丈夫です!むしろ入れてください!」


「脚本の意味!」


「さっきのようなのはともかく、脱線しすぎなければ案外いい感じになるかもしれないし、派手にやった方が盛り上がるだろうからね」


「アクションは軽めでいいんだよね?」


「それは君達に任せるよ。まぁ、本気でやる方が彼女達も嬉しいんじゃないかな?」


四人を見ると全員が頷いています。これただコウと闘いたいだけなのではないですか?ヘラジカはともかく、他の三人まで同意するとは思っていなかったので少し驚いています。特にヒグマとキングコブラ


コウはどうやら野生解放…ではなく、変身トランス・ダークを使った姿で本番をするそうなのです。理由は、ヒーローに憧れる子が出てきた時、その夢を壊さないためだとか。確かにあの姿では直ぐにバレてしまうでしょうね。そうでなくても一部は分かるでしょうが


しかし、何故それだけは器用に使い分けができるのでしょうか?やはり長く使っているからなのでしょうか?興味は尽きないのです


「夜も更けてきたのです。もう寝るのです」

「明日に備えるのです。忙しくなるのですから」


「そうだね。そろそろ──」


「『へいげん』ニテ特殊ナセルリアンノ反応有リ!直チニ向カッテ下サイ!」


「──嘘でしょ…?」


ラッキービーストの目が白黒に点滅しているのです。この状態とアナウンスは、コウの持っていた本の情報を模したセルリアンが発生した時のもの。ということは…


「ごめん皆、行ってくるよ。敵によっては帰りは明日になるかも…」


「気をつけて行ってこい」

「怪我しないでくださいね?」


「ありがとう。じゃあ…お休み?」


「「お休み」なさい」


コウがへいげんに向かいました。これはあいつの仕事なので、心配はしても止めはしないのです。明日に響かなければ良いのですが…


まぁあいつなら大丈夫でしょうから、我々も寝るのです。勿論私は助手と同じ部屋なのです。我々は二人で長なので






─────────────────────




「『紅の呼吸、壱ノ型!』えっと…おりゃ!」



ズババババッ!!!パカァーン!



「ふぅ…。やっと終わった…」


突撃とかエリートとか偵察とか穴埋めとか陽動とかゴブリン型のセルリアン部隊でいっぱいだった。フルセットで来るんじゃあないよ全く…


かなりの数がいたから思いの外手時間がかかった。ライオン城にもいるのは予想外すぎる。最近見てなかったのはこれが原因か?


落としたページは2枚。残るはあと5枚、いつ出てくるやら…


「コウ、オ疲レ様。大丈夫?」


「ジャパリまん一つもらってもいい?」


「持ッテクルネ」


ラッキーさんは直ぐにジャパリまんを持ってきてくれた。疲れた体にジャパリまんが染み込んでいく。あぁ~いきかえるぅ~…


「今日ハモウ遅イカラ、ココデ寝テイクトイイヨ」


「そうだね…。今日はもう寝て、明日に備え──」




ブルブルブルブル…ピカーッ!




「──わっ!?な、何だ!?」



ポケットに入れておいた勾玉が動いたと思ったら、急に強く光りだした。だけどそれは一瞬で、直ぐに大人しくなった



「何だったんだ、今の…」



こんな行動をしたのは初めてだ。本当に稀に幻聴が聴こえる時はあるけど…



「また何か起きたり?まさかそんな…ねぇ?」



誰に問いかけているんだか、と自分でも思いつつ、俺は床につくことにした

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