「これはマンションの管理人さんから聞いた話なんだけど」管理人さんが体験した不思議な話の数々。皆さんの隣にもきっといると思いますよ。見えていないだけで・・・驚かせようと恐怖を煽る書き方をしていないところが秀逸。本当にあったかのような物語に、どんどん引き込まれていくでしょう。
わたしは一気に読みましたが、一気に読むよりも思い出した頃にタイトルの木になるまだ読んでない一話を読む…みたいな読み方のほうが楽しめそうです(ですが最後の一話は最期に読みましょう)。わたしのおすすめは「余所見山道」です。
心霊現象にもさまざまな種類があります。ほっこりするものもあれば、ひたすら怖い、不思議、え、なんでそんなものがっ!!! などなど……。マンションの管理人をしているおじさんはいろんな怖い話を知っているのです。気持ち悪すぎない、いい具合のぞくりと加減が癖になりますよ。夏の休憩時間にぜひ、ひやりとしてください。おすすめです。
ちょうど良い具合のゾクゾク感。心霊現象の不思議さ。主人公正吉のちょうどいい軽さ。出てくる幽霊たちの思い。そして、なぞの管理人さん。いろいろと絶妙に混ざっていて凄く怖くも興味深い。この熱い夏を乗り切るのに、あなたもぜひ読んでみては!?