ニンジャ再来!

 もちろん、以前に戦ったあのニンジャたちだ。

 マストゥが焦りの表情を見せる。


「う、こいつら……」


 カラテを極めた彼らには、シアターが効かない。


 ヴィシャスが、マストゥをかばうように前に出た。


「このくらいの恥部、私一人で十分だ、下がっていろ」


 さらにその前へと割り込んだのはキッシー。


「ヴィシャスどの、オンナノコが恥部なんて言っちゃダメでござるよ。ここは拙者に任せてほしいでござる」


 マストゥにだって男のプライドというものがある。

 二人をぐいぐい押しのけて前に出る。


「待て待て、シアターは使えなくても、俺には音波攻撃がある。あの程度の恥部、俺一人で十分だ」


 俺が俺がいや俺が、ならば私がと押し合う三人を見て、ニンジャは悟った。


「ぬぬぬ、我らをナメているんだな!」


 三人が口をそろえて言い返す。


「恥部をナメるとか、下ネタじゃん!」


 ニンジャは怒り心頭、地団太を踏む。


「くううう! バカにしやがって!」


「だって、あんたら、弱いじゃん。こないだだって、キッシーにあっさり倒されたしさあ」


「あれは! あの男が強いの! あいつ、あんな顔してヤギュー流の使い手なの!」


「な~んだ、キッシー、やっぱり強いんじゃん」


「それほどでもないでござるよ」


「な~んだ、やっぱりあんたらが弱いんじゃん」


 このグダグダした流れが、ニンジャは相当お気に召さなかったらしい。

 特に中央でリーダーぶっている男など、ダシダシと地団太を踏んで激怒している。


「お前ら、我らの恐ろしさを知らないからっ! これをみても、そんな笑っていられるのかなッ!」


 ニンジャたちが木の陰から引きずり出したのは、両手両足を縄で縛りあげたマーリアだ。

 彼女は薄衣の湯上り着姿であり、たわわな胸元は、乱れてこぼれだしそうになっている。

 ご丁寧に猿ぐつわまでかまされていて、悔しそうに顔を背けたさまがとてつもなくエロい。


「マーリア!」


 青筋を立てて叫ぶマストゥの姿に、ニンジャたちは大喜びだ。


「くくくくく、そうだ、その顔が見たかった!」


「くっそお、この卑怯者め!」


「卑怯? 知恵が回ると言ってほしいな。なにしろ、ニンジャなんでね」


「卑怯な上に非道だな、女性を縛り上げて、そんな……そんな……エロいことをするなんて!」


「え、ちょっとまって、それ、誤解」


「そんなにエロく乱れて……かわいそうに、マーリア!」


「いや、この人、もとからこんなだからね」


「こんなことをするなんて、本当に恥部だな、この、人間の恥が!」


 手下ニンジャたちはうろたえる。


「い、いや、そんな……」


「恥部! この恥部が! 恥部恥部!」


 しかし、リーダーニンジャはいささかもうろたえることなどなかった。


「お遊びはそこまでだ! その汚い下ネタをやめろ!」


 マーリアの体を引き寄せ、その喉元にクナイを押し当てる。


「おっと、もちろん動くんじゃあないぞ、この女の命が惜しいならば」


 さすがのマストゥも、この言葉の前には、口を閉ざすしかなかった。

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