01
ガキンと、金属がぶつかり合う音が響き、続いて銃声が後を追う。
「頭を下げていろ、死にたくないのなら」
様子をのぞき込もうとしたところを少女の声に牽制される。直後、頭上を弾丸が通り過ぎた。
銃声の間隔が短く連続している。相手の武器はサブマシンガンかPDW、或は突撃銃の類か。
隠れ潜む物陰の外は銃弾の嵐。
しかしその中を、少女は恐れることなく舞い踊る。
自分よりも小柄な矮躯に不釣り合いなほどの大きな外套。結い上げられた長い髪。
それらを靡かせ、群立したビルの谷間を駆け抜け襲撃者に迫る。
その動きはおよそ人のものとは思えない。
「アーキタイプ……これが……」
ふと、彼女から聞いた単語を呟いていた。
発端は数時間前。自分の中にある一番古い記憶。
全てはそこから始まった。
その記憶を、今一度掘り起こす。
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