Hellow, My Angel
@96u
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擬人化。
人類はあらゆる事物をヒトの形に置き換えてきた。
人語を解する獣の伝承、命を宿す器物の物語、大自然との対話、天変地異の化身。
果ては世界の始まりや終り、時間や空間といった概念さえも。
それらが洋の東西を問わず、果ては古の洞窟に描かれた壁画にすら現れるのなら、
それは特定の文化圏に根差した潮流ではなく、人類が根底に抱えるメンタリズムに他ならない。
時には神性を仲介としてでも。
それでもその先に、コンタクト可能なヒトのカタチを求めた。
その精神活動の発露の形。それが擬人化である。
動物、道具、大自然、国家、言語……。
カテゴライズ可能なものであれば、どんなものでさえも擬人化した。
人類は貪欲だった。
思いつく限りの擬人化を重ね、しつくし、コンテンツを生み出し続けた。
無数の擬人化されたキャラクターが生み出され、蓄積され、消費された。
そうしてそうやって歩み続け、突き進んだ先で、飽和した。
人類が所有する財産、空間、時間、愛情。その総和。
それらリソースの全てをもっての許容量の限界。
人類全体が割り割ける精神活動エネルギーの、その総量に到達したのだ。
リソースに対しての、擬人化コンテンツの飽和。
そこから始まるのは何か。
限られたリソースの奪い合い。即ち、戦争だ。
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