6にち ざっかやで買い物
がつ6にち ようび てんき(大雨) おんど
今日はざっかやで買い物をして、その後に武器の整備をした。
明け方、大きな雷があってびっくりして飛び起きた。窓から外を見ると横殴りの雨でさらにびっくり。セントラルでここまでの雨が降ったのは久しぶりだ。そしてかなり寒い。そういえば雷が鳴る度に思い出すが、エミューの奴は大丈夫だろうか。流石にセントラルの近くにはいないと思うが。
当然ながらじゅぎょうはご破算だ。今日やると言っても多分みんななら当たり前のように図書館に来るだろうが、こんな大雨で呼ぶなんてひどいことはできない。雨が過ぎるかどうかは分からないが明日か明後日にしよう。
またパトロールに出ることも考えたが、いくらなんでも無理だ。多分雨で流される。こういう時に備えて泳げると良いなと思うが今思っても仕方ない。パトロールは水棲のフレンズが陸に上がって見回ってくれるのを祈る。園内放送で連絡することも考えたが、この雨音だと放送が届くとは思えないのでどっちにしろ仕方ない。
仕方がないから今日はねどこでゆっくりしよう…最初はそう思ったが、そういえば最近ハシブトガラスのざっかやを訪ねていないことを思い出した。ハシブトガラスは旅に出てざっかやを留守にしていることもしょっちゅうだが、他にやることがないのでショッピング街をうろついてみる。
こういう時はねどこが広い遺跡の中で良かったと思う。雨や風があっても少し歩けば住んでいる他のフレンズに会えるし、近くの店?の遺跡にはラッキーが食べ物やいろいろな物を置いていってくれる。ハシブトガラスのようにおみせを開いているフレンズもいる。
ざっかやを覗くとハシブトガラスがいた。良かった。おはようと挨拶するとハシブトガラスは相変わらずのニヤニヤ顔でヘヘッと笑いながら、いらっしゃい、さっちゃん副園長就任おめでとうございますと言った。
ハシブトガラスは『とれじゃーはんたー』を自称していて各地で宝物を見つけては持ち帰りざっかやで売っている。ジャパリまんを使って売買をするので買うだけでなくハシブトガラスに珍しいものを渡してじゃぱりまんに替える子もいるらしい。俺が誕生日プレゼントに貰ったものの中にもハシブトガラスから買ったものがいくつか混ざっている。就任式にいなかったのも案の定、遠くに出掛けていて参加できなかったかららしい。まったくもう。
品揃えをざっと見る。見たことがないものやきれいだったり、面白かったりするしょうひんの中に興味深いものがあった。
ライター。まだジャパリパークにヒトがいた時につくられた再現不可能な遺物の一つだ。指で端の所を押すと火がつく道具で、これは青く透明な容器のもので中に油が入っている。ライターを手に取った俺を見てハシブトガラスはニヤニヤしながらやっぱりとつぶやいた。
火をおこす手段はたくさんあるが小さく持ち歩きできてすぐに付けられるのはこれとマッチだけだ。これはもちろん買いだ。珍しくなかなか落ちていない上に、セルリアン退治などで手っ取り早く火を付けたい場面がたびたびあるのでライターとマッチは見つけたら必ずは手に入れるようにしている。ちゃんと火もついた。
値段はジャパリまん5個とのことだが、使い終わったらじゃぱりまん3個で引き取るよと言っていた。ライターは不思議な色の石でできているので人気が高いしょうひんらしいが、火が怖い子が多いので火が付く状態だとみんな買わないらしい。まあきれいな石で素敵だが、俺は火がつくからこそ欲しいのにな…。ちなみに火がつかないライターは再びじゃぱりまん7個で売るとのこと。相変わらず上手なフレンズだ。
その後はハシブトガラスと旅のことについて話した。どこどこのエリアでこんなものを拾ったとか、どこどこの遺跡を探索していたらセルリアンに危うく食べられそうになったとか武勇伝は聞いていて飽きなかった。そんな話をしている間にもちらほらとお客さんがやってきて色々と買っていった。変わった性格でしたたかなハシブトガラスのざっかやだが、意外と繁盛してるらしい。
ざっかやを出た後はゆっくり武器の手入れをした。フレンズの武器はともかく、作った武器の中には何度も使ったことで欠けてしまったり、接着が弱くなってきているものもある。近々補修か新しく作らなければいけないかもしれない。最近少し忙しいがいずれ時間を作って武器を作る材料探しをしようと思う。
今日は青いジャパリまんと昨日のポトフの残りを温めてハシブトガラスと食べた。ハシブトガラスはジャパリまんもいいがやっぱり俺の作る料理はうまいっすねと褒めてくれた。ふふっ、やっぱり憎めないフレンズだ。園長たちもそうだが少し多めに作ると他のフレンズにおすそ分けできて良い。これからも続けよう。
そしてちょっと肌寒かったのもあるが今日のお風呂は最高だった。なんでお湯が何もない所から湧いてくるのは未だに分からないがこれがあるおかげで毎日お風呂に入られる。…パークにはまだまだ俺や他のフレンズが知らない遺された仕掛けがあるのだろうか。
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