1話目 狼蛇
「ナルフ元気でな…」
「バイバイ、フルナッ…」
「おいおい、別れの時は泣かないって二人で決めたじゃないか…」
「だってあの子達まだあんなに小さいのよっ…」
「俺だって辛いさ、でも、二度と会えなくなるわけじゃ無い!皆が生き残れば、また逢える日がくるさ!」
「心配するな、私が責任を持って二人を育てる。この迷宮の森でな」
「大叔母様!」
「大ばあちゃん!お願いです!この子達を護ってあげてください!」
「勿論だ!私の命ももう永くは無いが、この子達が大人になるまでは保とう…」
「特に狼の子は私の血を受け継いでいるのだからな…、その蛇の子も相当な力を秘めておるぞ!」
そっとナルフとフルナを診る。その目は優しさに満ちあふれていた…。
その時ケンとガーナの手が輝きだし音声が聞こえる
凄まじい爆発音、無数の悲鳴の中、仲間の一人が早口で、まくし立てる!
「癒の大陸で、黒の密猟団が暴れ出した!今までより何倍も強くなって!警備ギルドも防戦一方だ!冒険者ギルド至急応援頼む!」
「こうしちゃ居られない、行くぞガーナ」
「ええ、ケン前衛は任せたわ」
二人とも右手をかざす!
「「反転召喚(エレメントインビルティッドサモン)」」
シュン
二人の姿が一瞬で消えてしまった…
「クゥゥン…」
「シュルルルル…」
小さく震える二人を伯母が優しく包み込む…
そうして3人だけの生活が始まった…
ナルフ-銀白の狼蛇- 音滝 大裕 @Ototaki
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