ナルフ-銀白の狼蛇-

音滝 大裕

プロローグ 家族の記憶

「ガーナもう少しだ踏ん張れ!」

「ウゥン…、ウンッ」

「ケン…あんた女のもう少しと…自分のもう少しを…はき違えてないかい!?」

「そ、そんなことは!?」

「あんた犬の割にテキトーなのね!」

「それこそお前こそ強情過ぎる位、強烈な蛇だよ!」

ガヤガヤ…

ポンッ

「あれ?」

「いつの間にか!?」

「やったわー!」

「よっしゃー!」

「お腹が大きいから双子かと思ったけど一人だったわね?」

「いや、よく見てみろ体は狼だが、尻尾が蛇だぞ!?」

「キャンキャン!」

「ミー!ミー!」

「狼男と蛇女の混血児は前例がないって賢者様が言ってたから…どうなるかと思ってたけど…」

「お互いのいいとこ取りでよかったな!」

「うん!そうね!」

「じゃあまず、この狼の男の子から名前付けていいか?狼とナ…蛇の子供だからナルフ!」

「じゃあ私はこの女の子にフルナと付けるわ!」

「ナルフとフルナ息ぴったりでいい名前じゃないか!」

「そうね、きっと相性バツグンよ!」

「それは良いんだが…最近幅を効かせている黒の密猟団に強力なバックが就いたらしいな…」

「それは私も知ってるわ、何でも神の眷族らしいわね…」

「それ以上は今の所分からないけど…」

「この子達も狙われるかも知れない…」

「そうかもね…、世界にただ2つの存在だもの…」

「そういえばこの子達、人化しないな?」

「普通は直ぐに人化するのにね?」

「魔力が無いのか?」

「まさか、この子達は…」


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