第4話

 イチゴちゃんネカマ説は割と昔からあった。だってしょうがないじゃん、ネカマだもの。しかし、今日からはちがう。写真も動画もあげ放題だ。


「うひゃひゃひゃ。これであの変態きも親父のショージとかいうやつにDMでうるさくいわれないぜ!」


 僕はイチゴちゃんを様々な角度から写真に収める。風でツインテがたなびくところとか。階段で退屈そうに座っているところとか。こっちを睨んでるかおとか。


 なんといってもかわいいからとりがいがある。


 いちごちゃんが楽しそうなのでこっちもやりやすい。


「そこもうちょい顔右にむけて……あちがう。そっちから見たら左」


「わ、わかった。これくらい?」


 お互い真剣だ。今日あったばかりの二人だけれど、イチゴちゃんを愛するきもちは一緒だった。だからこそ半端な気持ちではやれない。授業にでている場合じゃない。……あっ授業に出てないや、僕。


「でももう夕方だもんな。今日はいったん終わりにしてまた明日つづきとろっか」


 いつのまに茜いろにそまっている空。


「はい!せんせー」


 びしっと敬礼するいちごちゃん。やっぱりかわいい。これで電波ちゃんじゃなければ最高なんだけど……天は二物を与えないってほんとなんだな。



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