第2話

周りに人がいないことを確認した私は、児童公園の中に入り、女の子の前に立った。


「どうしたの?」


声に反応して、女の子が私を見た。


やはり寂しげな目で。


「どうしていつもここにいるの?」


そう言ったが、女の子は黙って私を見ているだけだ。


「なにか困ったことがあるのなら、このお姉さんに言ってみてごらん」


すると女の子が言った。


小さく消え入りそうな声だった。


「お願いがあるの」


「お願い?」


「お願いきいてくれる?」


「いいわよ。どんなお願いなの?」


すると女の子が言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る