第9話本当にいる・・・

タッタッターターンと風をきって颯爽と現れた

好きも嫌いもなんのその

タッタッターターンと身を纏って立身と現れた

水も災難もなんのその

道を塞ぐ岩山を退けたり

城を蝕む茨城を萎えさせたり

群鳥の乱れ模様を合図で揃えたり

ヒーローはいる

難敵も何事も無かった様に無事に解決して安心を届けてくれる

タッタッターターン、タッタッターターン

タッタッターターン、タッタッターターン

ヒーローはやって来る

ヒーローは待っている

その必要とされる、思い、願い、助けを

呼ばれる、呼ぶ事を呼ばれる声を望んでいる

行く手を阻まれても挫けず立ち向かって行く姿は

ヒーローいる

ヒーローは負ける事を諦める事を望んでいない

ヒーローは消して後ろを見ず前だけを見つめている

ヒーローはいる、ヒーローはいる、ヒーローはいる


さっきから、ブツブツ独り言いってるけど、ユメダさんどうかしたのか、真似夜は、機関車に乗りたいんだけど

ユメダさん、ユメダさん、大声だすのは悪い気がする

ユメダさん、ユメダさん、聞こえてますか

声に出さないと、・・・テレパシーとかで伝達したりは、出来そうに無いね

「ユメダさんーー、ユメダさんーー、すいません」

・・・・・・・・・

あれっ、聞こえてないのかな、・・・聞こえてるよね、聞こえてるよねー、・・・

「ユメダさんーー、ユメダさんーー、ユメダさんーー」

ユメダさん、ユメダさん、ユメダさん、子パンダーー

真似夜はユメダさんを揺すって見た

・・・・・・「ユメダさん、ユメダさん、ユメダさん、どうしたの、聞こえてない・・・」

消えちゃった・・・・・・

えっーーーーーーーーーーーー

ユメダがー消えたよーー、何で、何で、何で

ユメダが居ないと、この先どうしたらいいのーー

夢の進行役が、何してくれてるの

進行どころか、無進行じゃないか

無進行、無進行、無進行、無進行、夢は止めだーー

アイタッ、アイタッ、アイタタ、イタイー

顔を抓っても、何度も抓っても駄目だーー

アイタッ、アイタッ、イタイーー

駄目だー目が夢から覚めない、覚めないよーー

抓り方が弱いのがいけないの

もう少し、強く捻ればいいのかも

えい、えい、えい、顔以外の皮膚を捻り捲るぞー

イタイイタイイタイ、イタイイタイイタイ

右手が腫れるよ、赤くなってきた

覚めない、覚めない、覚めない、覚めない

イタイイタイイタイ、イタイイタイイタイ

左も腫れるよ、赤い赤いしてる

覚めない、覚めない、覚めない、覚めないぞー

イタイイタイイタイ、イタイイタイイタイ

両足の袋はぎ、両腿、腫れがやばい

このままでは、ただイタイだけの連鎖反応に嵌まり込んでしまいそうだ

「ユメダさんーー、ユメダさんーー、ユメダーー」

「ユメダさん、出てこーいーー、出てこーい」

駄目だ、駄目だ、駄目だ、駄目だ、駄目だ


ヒーローはいる

誰かの助けを求める声、呼ぶ声、叫ぶ声

ヒーローはいる

必要な時、必要な時、必要な時、必要な時

ヒーローはやって来る

その必要とされる声に思いに願いに気付かない訳がない

ヒーローはやって来る

恥ずかしさも侘しさも両天秤に受け取って、真摯に取り組む姿勢に感嘆して


「ユメダさんーーー、ユメダさんーーー、ユメダさんーーー、ユメダさんーーー、ユメダさんーーー」

もうこのまま真似夜は、この世界で、この世界と

暮らさないといけないの、目覚める事も出来ないの

繰り返される、支離滅裂の展開が、またやって来るの

創り出された時間の中を抵抗する事も許されないの

どうにかしてよ


ヒーローはいる、ヒーローはいる、ヒーローはいる

ヒーローはやって来る、ヒーローはやって来る

ヒーローはやって来る、ヒーローはやって来る


真似夜の目の前に子パンダのぬいぐるみのユメダが

映像が映し出されるように現れた


「ユメダさんーーーーーーーーーーーーーー」

ダキダキダキダキ、ダキダキダキダキ














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