⑪話 伊達政宗と天正地震
【原作書籍3巻付近】
「殿、小次郎様から11月29日に起きた地震のことで知らせが来ております」
黒坂家の内情は一切教えないと先刻手紙を送ってきたばかりの弟・小次郎だったが、
近江付近で発生した大きな地震の事については手紙をよこした。
小十郎がそれを読み上げるた。
内容は先ずは『流言蜚語』に惑わされることなきように。
この地震の被害の事は主人・黒坂常陸様の許しを得て正確な状況を奥州に知らせるよう命じられたとの事だった。
地震の被害は大きかったが織田家を揺るがすほどの大事には至っておらず、むしろ織田家は民の救済に兵力・財力を惜しみなく使ったことで領民の心をしっかりと掴んだ。
さらに織田家が最近あちらこちらに作っている城、その新しき城はほとんど地震の被害がなかったと。
領民の救済、一番に動いたのが黒坂常陸様であり、城の地震対策を提案したのも黒坂常陸様・・・・・・?
黒坂常陸様を知れば知るほど私は何者なのか?その疑問が続く。
「小十郎、噂では山の形すら変わったとされている地震と西方を行き来する商人や旅芸人が言っていると耳に入った。帝の御所ですら倒壊したと、京の都は大混乱でその火が近江、大和、但馬、堺など近隣にひろがり織田家は窮地になっていると」
「殿、おそらくそれは誰かが流している嘘。反乱を起こさせる策略の可能性が」
「・・・・・・小次郎の手紙を信じるべきだと?」
「はっ、調べたところ御所が倒壊したことで帝は織田信長公が建てられた銀閣寺城なる城を仮住まいとしていると。小次郎様が書かれている黒坂常陸様が関わったとされる城です。内容に矛盾無きかと」
「なるほど城の事だけでも確かによくよく考えればそうであるな。毛利、長宗我部すら倒した織田家、地震ごときで揺らぐとも考えられんしな・・・・・・
「流言には注意いたさねばなりませんぞ殿」
「あいわかった。よし、見舞いとして近江に米を運ばせよう。・・・・・・鬼庭あたりが丁度良いであろう。近江、京の様子を直に見させるのが一番」
「はっ、では朝廷には奥州の砂金を。すぐ手配致します」
鬼庭左衛門綱元に米と砂金を持たせ朝廷と織田家に見舞いに行かせた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます