《3巻発売日》第980話 袋田大子城の良いところ?

 この城の素晴らしい所は五芒星の縄張りで、一つ一つの三角堡に鹿島神宮・筑波山神社・御岩神社・大洗磯前神社・笠間稲荷神社から分祀された社殿が建立されている。


さらに、外側にも異国の宗教の教会、祭壇が奉られている。


その宗教の建造物はいたて真面目に造られている。


美少女化はしていない。


俺は一つずつ参拝すると、茶々が


「ここは城なのか宗教施設なのか、美少女の館なのかわけがわかりません。ですが、真琴様の居には相応しいですね。世界から来る客人も招けますから」


「ん~三ノ丸が宿泊御殿も造られているからね~それは良いのだけど、やはり流石にごちゃごちゃし過ぎているよ。本当に隠居所は一重の堀くらいの館で良かったのに」


「それはなりません。今でも御命を狙われているのですから」


「うっ、うん・・・・・・」


「念押しをしときますが、一人城の外に物見遊山など許しませんからね」


そう言って今、整備途中の町を見ていた。


町も稜堡式の総構えってヨーロッパの城か?


信琴と高琴、ここに大都市建設って無理しすぎだから。


磐城、岩代に抜ける街道ではあるのだけど。


平成時代だと水戸から郡山に向かう水郡線が走る地、茨城の山奥が都市として整備されている。


静かに湯治場として整備はしたかったのにな・・・・・・。


そんなことを考えていると鹿島港からうつろ船・・・・・・ではなく、タイムマシーンAMATERASUを佳代ちゃんが運んできた。


「真琴君、言われたとおり運んできたけど、やっぱり直せないよ、これは」


「うん、良いんだよ。これが器として欲しいだけだから」


「器?なにに使うの?」


「ちょっとね、御祖父様がかけてくれた呪法を使えば俺も出来るかな?とね」


「なんだか理解できないけど、どうすれば良いのか言って?」


「そだね、約500年安全に持つようにして欲しいかな」


「あっ、それは大丈夫、これはタングステンだから、ちょっとやそっとじゃ壊れないから」


「なら、そのまま城に入れて」


「真琴様、これを本丸に入れるのですか?」


「ん~・・・・・・信長様用の御成御殿に入れて」


「義父様の?」


本丸内にある御成御殿、こちらもごくごく普通の書院造りで造られてある。


そこに入れる。


「一応、信長様、こっちにくるように約束はしてあるんだけど、もう一回手紙書いとくよ」


安土に向けて手紙を書いた。


『未来への道の可能性を整えています。必ず、袋田大子城に来てください』

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