第974話 熱田と神産
《オルショリャ視点》
「ミライア母上様・・・・・・なにがあったのです?オルショリャ母上様」
熱田
あつた
と神産
かみむ
は布団の上に寝かされたミライア遺体を見ると青ざめていた。
静かに冷たくなった手を取ると、
「おい熱田、なにか感じぬか?」
「・・・・・・禍々しい気?」
常陸様の御力に憧れを持ち、その御力の跡を継ごうとしていた熱田
あつた
と神産
かみむ
は、常陸藩内の寺社で修行を重ね、まだまだ未熟ではあったが陰陽の力を会得しようと励んでいた。
「熱田、なにか見えるのですか?」
「父上様のようにまだ会得しているわけではないのですが、黒き気の残り香を感じます」
神産もそれに同意の頷きをしていた。
「妖魔?悪魔?」
「オルショリャの母上様は御祖母様の件でお詳しいかと思うのですが、その様なものと存じます」
私が預かった子たちに常陸様の活躍の話、母上を助けてくれた話などを聞かせていた。
多くの武勇伝を。
「取り敢えずですが俺たち二人で城に結界を張ります。父上様のように強いものは出来ないと思いますが、俺たち二人がかりなら狐火をはねのけるくらいなら」
熱田と神産は陰陽師装束に着替えると、二人で祝詞を唱えていた。
「・・・・・・武甕槌大神よ我らに力を貸し与えよ、聖域の陣」
「常陸様がお越しになられるまで持ちこたえなければなりません。二人とも頼みましたよ」
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