第959話 古代文化の否定
謀反の騒ぎは2週間で全て鎮圧した。
首謀者を最初に討ち取ったことと、翌日、アセナが操縦するヘリコプターで町外で爆撃のデモンストレーションを行ったことで、武力を見せつけた。
「父上様、申し訳ありませんでした。このような事に巻き込んで」
「おいおい、勘違いするな俺は今でもインカ帝国執政のまま。事あらば当事者だぞ。お客様ではない」
「・・・・・・そうでしたネ。執政の地位は永久にしていただきたいデス」
皇帝ファナも申し訳なさそうに言っていた。
「結局は謀反の原因はなんなのだ?」
「はい、古き文化の復活を望むシャーマン・ムハルドメンの派閥が集まってしまったのがきっかけではないかと」
「ん?古き文化の復活、良いではないか?」
須佐に言うと須佐は、巻物の絵を出し見せた。
そこに書かれているのは生け贄を祭壇に捧げる残虐な物が書かれていた。
胸を切り開き、心臓を取り出している絵。
「・・・・・・これは駄目だな。生け贄など消えるべき文化。これは認められない」
「はい、父上様がそう言うだろうと伊達様も言っておられました。ですので、禁止としていたのですが、インカが大きくなるにつれてインカは神に力を与えられたから、供物、生け贄を捧げるべきだとシャーマンが言い始めまして」
「神か。信仰心は大切だが、間違った信仰心は取り払わねばならない。神は人が繁栄することを願っている。そう見守ってくれているのが神、それに人の命を捧げるなど本末転倒」
「私達はそれは理解しているのですが」
「須佐、学校を増やせ。知識を学べば風習でも善悪の区別が出来るようになる。長い年月が必要だが、必ず報われるときが来る」
「・・・・・・はい、父上様」
教育の大切さを改めて説明する。
古くから続く文化は大切だが、悪しき風習はどこかでピリオドを打たなければならない。
それは様々な学問を学んだ者達が自発的にしていくのが、理想的。
「常陸、もう良い。儂は早く空中都市とやらを見たいのだ。常陸が忙しいなら儂たちだけで行くぞ」
「うわっ、ちょっと待って下さいよ。んなとこに信長様だけで行かせられるわけないでしょ。今さっき、乱を鎮圧したばかりなのに。艦隊から兵を呼び寄せるので一週間待って下さい」
「そうか?アルパカはもう飽きた」
織田信長はもう隠居として政治関与はほとんどしてこないので、暇を持て余していた。
器用にアルパカ乗りを楽しむ織田信長。
少々羨ましい。
シャーマン・ムハルドメンの黒き野望、そこに行き場を失い始めている妖魔が取り憑いたか・・・・・・。
このことは須佐には伏せておこう。
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