第957話 謀反
「マコ~、襲撃来るよ。みんな始末しちゃって良い?」
寝所に来たお江はそう伝えに来た。
「どのくらいの兵だ?場合によっては危険を伴うから逃げるが」
「うん、もう主力部隊は小糸ちゃん達の秘薬を酒に混ぜて眠らせて来ちゃったから、須佐に言って捕縛に向かわせると良いよ。それより、宮殿内のシャーマンがすぐそこだよ。50人くらい」
「わかった。俺も出よう。敵はシャーマンか?」
「うん、シャーマンの頭が謀反人。その家臣達が集まってるよ」
太刀とリボルバー式拳銃を持ち布団から出ると、茶々が薙刀を手にして、
「私も行きます」
「私も戦えるわよ」
佳代ちゃんもワルサーP38を見せて、ヘーブンもナイフを見せた。
「いや、50人くらいなら、むしろ、お江とだけ戦った方が守りをしなくて済むから、ここで待っていてくれ」
「私達では足手まといになるのですか・・・・・・」
茶々は悲しげな表情を見せていたが
「茶々姉様、私はずっとマコの側で戦ってきたから、マコの事は任せて」
「そうですね。私には実戦の経験は乏しいですから。真琴様、必ずお戻り下さい」
茶々達に見送られながら部屋を出ると、織田信長が向かい側の部屋からライフル銃を片手に現れた。
「久々だわい、腕が鳴るの」
「げっ、信長様、部屋で静かにしてて下さいよ」
「年寄り扱いするでない。武士として戦いを前にして背を向けていられるか」
「変な意地出さなくて良いですから。主力部隊はもう鎮圧したから宮中の残り少ない者達を始末するだけですから」
「ふっ、常陸、お主戦いになれすぎて油断しているぞ」
「そうですか?」
「ほれ、さっさと片付けるぞ。儂はここに残って空中都市とやらを見たいのだからな。それを邪魔する者達は皆殺しだ」
「うん、なんか主旨変わってますけど」
「上様はわいがお守りしますけん、お気にせず常陸様は戦ってくだせい」
暗闇に紛れ込むような織田信長側近で護衛のいつもは無口な弥助が言う。
「柱の陰で静かにしてて下さいよ」
織田信長にそう言ってお江の案内で、襲撃の準備を中庭で整えていた反乱の兵を柱に隠れて確認した。
・・・・・・久々だな、この臭さ。
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