第953話 アパッチか?長距離飛行機か?

「佳代ちゃんさぁ、そう言えば、アパッチ作れない?」


ヘリコプターで思い出したが、アパッチが欲しい。


今あるヘリコプターは物資を運ぶのに特化したような形のヘリコプター。


実は俺はあのスマートな対戦車用戦闘ヘリコプターが好きだ。


可能なら欲しい。


「え?アパッチくらいすぐに作れるよ。常陸国の工場に戻れば」


・・・・・・うん、嫌な予感はするぞ。


「すぐに?」


「うん、全員休まず働かせれば3ヶ月もあれば作れると思うよ」


「・・・・・・佳代ちゃん、そこはちゃんと休ませて働かせてよ。後世まで続く企業として会社としてるんだから、お手本となるホワイト企業にしたいんだから」


佳代ちゃんに仕事を頼めない単純理由は、物作りに没頭してしまう佳代ちゃんが、周りを見ないからだ。

任せるとブラック企業よりブラックになる。

光を全て飲み込んでしまいそうな真っ黒な企業。


「はい、はい、気を付けます。ねぇ~真琴君が欲しいなら長距離用の飛行機も可能だけど?」


「え?そうなの?」


「ジェット機は流石に開発時間がかかるけど、プロペラ機で良ければ作れるよ。そうだね~エンジン4発で25人くらいの小型機だけど、そのくらいなら3年もあれば作れるかな?ちゃんと従業員休ませての計算ね。常陸国からここまで、おおよそ30時間くらいで結べると思うよ。途中、ハワイあたりで給油して」


「ハワイにも、うちの国の島があるし、太平洋の島々はほとんど同盟を結んでいるから、それは問題ないけど」


「給油の問題は考えなくて良いなら、実現可能だよ」


「そっか、なら帰りの船内で図面引いといてよ」


「うん、任せて」


タイムマシンも作り出してしまう天才科学者にとって、そのくらいの物は容易いとは凄いな。


「アパッチとどっち優先?」


「うっ、ううううううう~アパッチは俺が欲しいだけ・・・・・・長距離飛行機のほうが役には立つ・・・・・・う~アパッチ欲しかったのに・・・・・・」


「みんなの尻叩きながら作れば、両方できるけど?」


「だから、それは駄目だって。あ~仕方がない、長距離飛行機優先で」


「OKわかった」


そう言いながら佳代ちゃんはハチドリの地上絵を眺めていた。

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