第940話 南極大陸離脱
1622年2月15日
南極大陸の短い夏が終わろうとしていた。
食糧や暖房用石炭も心許なくなってきたので、第一回南極探検を終了として潜水艦に戻った。
織田信長は先にヘリコプターで戻らせ、犬ぞり対と沿岸に出ると、お初が迎えに接岸してくれた。
ちゃんと犬達も連れて帰る。
あの悲劇の物語発生ルートではない。
「お初、任せたままで悪かったな」
「本当よ、お江と交換して欲しかったわ」
と、言われてしまった。
「真琴様、あの拠点はあのままにしていくのですか?」
「出来ればまた来たいとは思っているからね。俺が来られなくても断続的に夏だけ誰か滞在させて実効支配はしておきたいんだよ。まぁ、他の国で耐えられるだけの資材を運んで拠点作り出来る所なんてそうそうないだろうけどね」
と、茶々に話していると、
「儂も、また来たいの~」
と、織田信長は言っていた。
気に入ったのだろう。
織田信長は帰路につく前に皇帝ペンギンと仲良くなっているくらいだった。
越冬隊を作るには、もう少し準備が必要だ。
マイナス40℃に耐えうるだけの装備となるとなかなか難しい。
樺太も冷え込めばそのくらいにはなるが、樺太には木々があるためそれをあてに出来るし、動物も多いので食糧も冬場でも多少は確保出来る。
南極大陸では氷山で、それが難しい。
それに極夜に耐えうるだけの精神も鍛えねばならなく、課題は多い。
科学が発展するまでは夏だけの実効支配で良いだろう。
佳代ちゃんにリクエストすれば、なにか考えるだろうけど、また、うちの兵や社員をこき使われると困るので黙っていた。
潜水艦に戻って軽くシャワーを浴びて、狭いながらもある居室で久々の一人の休息をとりウトウトとした。
ウトウトと・・・・・・。
ガチャ
ん?側室の誰かが入ってきたかな?・・・・・・。
まぁいいや。
今は睡魔のほうが・・・・・・。
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