第941話 犬ぞり隊の処遇

 ・・・・・・夢の世界に入っていると不思議と心地が良かった。


久々の自分のベッドなのだから眠りが深いのだろうか。


ゆったりとした気持ちで寝ていると、なんだか不思議な感触が伝わってくる?ん?むむむむむ?くつぐったい?


ちょっと獣臭と体臭が混じった匂いが鼻に・・・・・・?


はっ、と目を開けると金髪が目に入った。


「えっ?」


「との様 目 さめちゃったか? せっかく おいしく いただきます だったのに」


と、俺の胸をペロペロしているヘーブンだった。


「うぉぉぉぉぉぉ、なんだよ」


と、思わず声を出すと、


お江が小太刀を抜いてすぐにヘーブンの首に当てていた。


お江、どっから現れた?


「マコ~大丈夫?って、あ~なんだヘーブンちゃんか」


と、小太刀をしまっていた。


「おいおいおいおいお、お江、なに納得してしまうんだよ。そこは取り押さえるところだろ?」


「え~だって、ヘーブンちゃん、茶々姉上様に泣いて懇願していたんだもん。側室にさせて下さいって」


「え?そうなの?」


と、言うと、ヘーブンはコクリと頷いていた。


「真琴様、嫌いな容姿ではないのでしょ?それに、この南極大陸での働きから言って真琴様なら高く評価しますよね?」


と、ドアを開けて入ってくる茶々、


「うん、そりゃ~もう高く高く評価して1万石ではなく3万石ぐらいで雇おうかと考えていたのだけど」


「領地だけでなく側室としてあげたって良いじゃないですか?真琴様の絵画を崇拝して慕っているのですから」


「だって俺だってもう57才なんだよ?」


「歳なんて良いじゃないですか、慕う者の気持ちを大切にしてきた真琴様は、歳と共に消えるのですか?」


「うっ、それを言われると・・・・・・」


「わたし じゃ いやだっへ?」


と、澄んだ瞳で見てきたヘーブンに嫌とは返事は出来なかった。


だって、二次元から出てきたような北欧美少女なのだから。


「よろしく」


と、言うとヘーブンは抱きついてきて首筋をペロペロと堪能していた。


少し犬っぽいヘーブン。


「じゃ、良いですわね」


と、茶々とお江は部屋を出て行くと・・・・・・なるようになった。



その後、犬ぞり隊をヘーブン・レイキャビクを頭として5万石で正式な部隊として家臣団に組み入れた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る