第936話 捜索隊
下に注意しながら飛んでいると、ポツラポツラとキャンプ地が見える。
その中でも一際煙を出しているキャンプ地の上空を通ると、どうやら森力丸のようだった。
「こちら佳代、森力丸確認、さらに飛行を続け真琴君を探します」
と、電信を潜水艦に送ると、
「気をつけて」
と、お初様が電信を送ってきた。
さらに飛行を続けると、次のキャンプ地で煙が見えていた。
その上空を一周すると、
「下 五芒星」
と、アセナからの電信が来る。
よくよく見てみると雪上に書かれた五芒星が見えた。
その上空を三周するとテントから人が現れた。
双眼鏡を使って見ると真琴君・・・・・・手を振り大きく丸を頭の上で作っていた。
「アセナ 帰りますよ」
「え?良いの?」
と、短い電信が帰ってくる。
「あれは無事の合図 大丈夫」
と、潜水艦にも真琴君発見の知らせを送り帰還した。
「佳代様、助けなくて良かったのですか?」
「アセナ、一度着陸してしまうと離陸が困難、無事の確認だけすることが目的でしたから」
「なら、ヘリコプターで迎えに」
と、アセナがヘリコプターに向かおうとするのを止めた。
「冒険は帰ってくるまでが冒険、真琴君の目的は人力での南極点到達、だからこそ、帰ってくるのを待ちます」
「その理屈が私にはわからないんだけど」
と、アセナが言うがお初様が
「佳代さんがそう言うならその用にしないと真琴様の目標達成とはならないのでしょうね?なら、毎日昼に一回上空から視認して下さい」
「私もそれで大丈夫だと思います」
と、答えた。
真琴君の目的は人類初南極点到達を原動機付きの乗り物に頼ることなく成功させること。
そうなれば登山と一緒で登るだけでなく下山も成功させたいはず。
今は助けるときではないだろう。
その答えは正解だったと後に言われることとなった。
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