第930話 信長・真琴、南極点到達
拠点キャンプから出て約8時間、犬ぞりに揺られる。
すると、雪の平原で不思議な力を感じた。
全身がビリビリとする。
「止めて」
と、指示を出す。
「信長様、正確かは些か不明ですが、俺の陰陽力ではここが南極点です」
「着いたのか?前人未踏の地」
「はい、信長様が起っている辺りがまさに」
「そうか、ここが地球の軸か」
と、言いながら太刀をブスッと勢いよく刺した。
「儂が到達した証拠だ」
「凍てつく世界ですからきっと抜けなくなると思いますよ。っというか、冬になれば隠れてしまうかと」
「それでも良いのだ。幾千年後、誰か掘り返したときに儂の太刀が見つかれば、初の到達者が儂だとわかればな」
「はははっ、たしかに、俺みたいに変わった者が掘り返さないとも限りませんね」
「ほれ、常陸も刺していけ」
と、俺もその脇に太刀を刺した。
「祓いたまへ守りたまへ清めたまへ幸あたへたまへ武甕雷男神の御力で世界に平和を導きたまへ」
と、唱え願いを込めて。
「マコ~私も」
と、お江も小太刀を刺す。
雪の平原に、三本の日本刀が輝きを放っていた。
そして、あらかじめ準備していた、鉄に分厚く塗装した大日本合藩帝国の文庫本程度の大きさの国旗の看板を設置した。
雪に埋もれるだろうし、南極点は移動する。
だから、未来ではここが南極点である可能性は低いが、それでも今、南極点を制覇したのは俺たちであることの証明だ。
この日、一夜をこの南極点で迎えた。
「常陸、地の果てにも来てしまったな。儂が次に行くところはどこだ?」
「ん~北極点ですかね?それともアメリカ大陸?あっ、信長様ってナスカとか行ってませんよね?」
「あ~インカ帝国か?行っておらんのなんだかな?不思議な物があると聞いたが」
「それ見に行きませんか?久々にインカ帝国にも行きたいし」
「ぬははははははははははははっ、まだまだあるのだな」
「ん?」
「見るべき物が」
「そりゃ~まだまだありますよ」
「なぁ、常陸、儂はこの地球の外にも行きたい、なにか策を考えよ」
「はぁ?それは幾ら何でも無理ですって」
「なにかあるはずだぞ、常陸ならそれが思い浮かぶのではないか?」
「ん~、精一杯考えてみますけど、有人ロケットは流石になぁ~未来ならなぁ・・・・・・」
「なら、儂を未来に送ることは出来ないのか考えよ」
と、無理難題を押しつけながら、珍しく織田信長は酒が進んでいた。
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