第929話 白夜

 南極点に確実に近づいてくると、白夜となり夜でも明るい。


探検、キャンプには明かりの心配はなくて良いのだが、体内時計は狂う。

北欧出身の美少女犬ぞり隊は白夜、極夜のある地域出身だから慣れているらしく、明るい夜でもよく寝ていた。


「流石に明るいと熟睡が出来ないな」


「まぁ~それでも眠って体力回復に努めて下さい」


「うむ、わかってはいるが」


「ここって寒いだけでなく標高も高いんですよ。空気も薄いので辛かったら言って下さい。帰りますから」


「それは大丈夫だ」


と、織田信長は力こぶを見せていた。


だが、選りすぐりの犬でもへばってきており、また、ラリ・カヤーニは辛そうにしていた。


「ラリ、君はここまでとして、ここで弱った犬と体力を回復を命じる」


と、言うと、ヘーブンがそれを通訳してラリは大人しくコクリと頷いていた。


「御大将、私はここに残りこの娘とお帰りを待っております」


と、森力丸が名乗り出てくれた。


お江に頼もうかと思っていたが。


「すまないな、計算だとあと一日で南極点到達、そこで一泊して帰ってくる」


「もしも帰ってこなければ、急ぎ城に戻り佳代の方様に伝えれば良いのですね?」


「あぁ、その為に緊急用として飛行機を温存してあるから」


「はっ、かしこまりました」


と、力丸は残った。


翌朝、早めに出発をした。

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