第921話 織田信長、南極大陸上陸

 宇宙より遠い地だと観たことがある地は、真っ白すぎるほどに真っ白。


白銀と言う幻想な世界と言うより、ハッキリと言えば恐さを感じる世界だった。


上陸して犬ぞりの準備をしていると、織田信長はアセナによってヘリコプターで運ばれてきた。


力丸と綱でしっかりと綱がっている。


「アセナ、一端、潜水艦に戻ってパネルの輸送の準備初めて」


「もう、お兄ちゃんは人使い荒いなぁ~私だって幻想の世界に浸りたいのに」


と、文句を言いながら戻って行った。


「なんだ、常陸、ここに住居でも建てるのか?」


「一応、ここを占領して領土宣言しますからその根拠となる建築物は建てないと。しばらくの寝泊まりする場所ですよ」


「と、なると誰か住まわせるのか?」


「一年中は厳しいかと、冬は恐ろしく寒いですから。人が住めるような地ではないのですよ」


「では、なぜこのようなへき地を日本にしたいのだ?」


「ん~と、地下資源です。ここは地下資源が豊富なんですよ。いずれ未来ではここで採掘する技術を持っているかもしれませんからね」


「こんな氷の大地にか?」


と、質問を続ける織田信長だったがそれを一端止めた。


「との様 したくできたっーぺ」


と、8頭引きの犬ぞり2組に荷物が乗せられていた。


「信長様は取り敢えず乗って下さい。ヘーブン、先に進んで風を遮るような谷間で設営の準備して」


「わかったっぺ とりゃー」


と、走り出していた。


目印になるように、炭汁を犬ぞりが垂らしていくような仕込んである。


それをたどって歩いて行く。


「ふぅ~、真琴様、なんか息苦しいわね」


と、お初が言う。


「山登りしているのとほとんど変わらないからね」


記憶が正しければ、ロス棚氷と呼ばれる付近に上陸したはず。


標高2000メートル級の登山だ。


15分歩いては一度止まり、呼吸を整えてはまた進む事、1時間。


狼煙となる煙が見えていた。


そこから約30分ほど進むと、先を行っていたヘーブンの犬ぞり隊が設営の仕度を始めていた。

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