第919話 織田信長、南極大陸へ
「マコ~そろそろ浮上するね、佳代ちゃんの計算だと、このくらいらしいよ」
「おっ、そうか?航行はお江に任せてある。お江の判断で良いぞ」
「うん、長い潜水艦人生で大丈夫だと思う」
と、お江は何気に潜水艦艦隊を任せているので、その感を信じる。
「真琴様、ほら、毛皮着ないとまたいつもの寒い寒い始まるんでしょ?」
と、茶々が準備してくれた。
「浮上開始」
と、言うと潜水艦は浮上を開始する・・・・・・寒い。
どんどん冷えが伝わってきていた。
エンジンの熱で船内は暖まっているのだが、それでも冷えてきた。
海水面に出た所で、船橋から出ようとすると、織田信長に先を越された。
「っとに、危ないから俺から先に出て確かめようとしたのに」
と、呟くと、
「危ないなら家臣にさせて下さい」
と、お初に怒られてしまった。
ベスト型の毛皮を着た織田信長は甲板に先に出ると、
「ほう、これが南の大地か」
と、感心していた。
流氷がポツラポツラと浮いている静かな海。
晴天に照らされた海の澄んでいること澄んでいること、空の青と海の青が一体化してそこに白い流氷が浮かぶ世界はそれこそ、雲の上にでもいるのではないかと錯覚するような世界だった。
「美しいの~」
と、織田信長ですら感動のため息を吐いていた。
茶々達も感動で言葉が出ないようだった。
その甲板にピョッンと突如海から出てきた生物に、
「うわ~可愛い~」
と、甲板に出ていた女性陣が歓声をあげていた。
「おっ、ペンギンかこれは皇帝ペンギンだな、あっ、触らないでね。人間の匂い付くと仲間に入れて貰えなくなるって聞いたことあるから」
「でも、自ら寄ってきますが」
と、茶々の足下にまで来ていた。
「食べます?」
と、桜子はまん丸の目の皇帝ペンギンをジッと見てから聞いてきた。
「食べないよーーーー」
と、思わず叫んでしまうと皇帝ペンギンは逃げていった。
「あ~あ」
と、みんなにジと目で見られてしまった。
「常陸は何でも食べるからの~それよりどうやって上陸するのだ?見たところ氷の壁だが」
「取り敢えず、ヘリコプター出しますよ。アセナ、操縦して上陸できそうな地を探してきて」
「うん、わかった。え?信長様も乗るの?」
「いかんか?」
「ん~上空からの偵察だけなら大丈夫かな、アセナ無理しないで風に注意して行ってきて」
と、格納庫から出されたヘリコプターは上空に上がっていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます