第904話 筑波山神社
坂東平野にそびえ立つ筑波山。
その頂上はゴツゴツとした大きな岩がある。
筑波山神社本殿に参拝した後、その岩に登って、坂東平野を一望した。
「絶景かな絶景かな」
と、言いながらポーズを決めると、
「なんですか?それは?」
と、茶々が首を傾げていた。
元ネタは石川五右衛門の南禅寺の門でしたとかしないとか言う歌舞伎の決めポーズなのだが、石川五右衛門登場ルートはなかったので、わかるはずもない。
「はははははっ、気にするな。それより良い眺めだろ?茶々は初めてだろ?」
「えっ?私は真琴様が留守の間、子供達を連れて何度か登っておりますよ。子供達に常陸国への愛着を付けさせるには良い地だと思っていたので」
「え?そうなの?」
「はい、それに山登りは鍛錬になりますからね。子供達、立派に育ったでしょ?」
と、茶々は胸を張っていた。
「ごめんね、いろいろ任せ過ぎちゃったもんね」
「良いのですよ。正妻の勤めですから」
と、茶々は本当に気にしていない様子だった。
「マコ~、今日は麓の温泉泊まり?」
「そうだな、少々腰も重たくなってしまったから温泉で癒やされてから帰るか」
「筑波山神社の門前町も発展しておりますので是非とも見て行かれるとよろしいかと」
と、茶々が言う。
元々、常陸国に入ったとき寺社の整備を行ったので、門前町が出来賑わっている。
筑波山神社もその一つ。
山を下り温泉宿のある門前町に向かうとすっかり日が暮れていた。
お忍びでの宿泊だが、茶々が肝煎で作った宿はすぐに顔ばれしたが察したのか、必要以上の接待などせず静かに宿泊が出来た。
「さて、茨城城に帰ったらいよいよ南極に行くぞ」
「真琴様、その前に安土に寄らなければ」
「うっ、そうだった。安土に寄って様子見ないとな」
「お遊びも良いですが、仕事をいたさねば」
と、茶々は耳に痛い事を言う。
「まぁ~でも、急がないと信長様、もう歳だし」
「義父様なら死にそうにはないですけどね」
「元気だよね・・・・・・って元気すぎるから一人にしておけないんじゃん。う~オーストラリアで勝手になにかやってそうで恐いな・・・・・・」
「確かに・・・・・・」
桃信・・・・・・任せてあるけど大丈夫だよな?
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