第903話 パワースポット巡り

 子供達を連れた側室達は二三日、袋田温泉に逗留するとの事。


川遊びなどしたいそうだ。


俺は茶々、お初、お江と数名の護衛を連れて寺社巡りに向かった。


西金砂郷神社・東金砂郷神社・鷲子山神社・雨引観音・笠間稲荷神社・大宝八幡宮などなど茨城県のパワースポットと内陸の寺社。


「う~お尻が痛い」


「初姉上様大変です。お尻が二つに割れました」


「お江、お尻は初めっから割れてます」


と、道がまだまだよろしくなく小型バスの乗り心地もいまいち。


「真琴様、あとどこに行くって言うのよ」


「疲れたかお初?あとは筑波山神社を巡って茨城城に戻るつもりだが」


「あと一つですか・・・・・・」


と、茶々もお疲れだったようだ。


「大殿、あれを」


と、護衛が指さしバスは急に止まった。


すると、皆、それぞれ武器を手に取りバスから飛び出す。


前方にいたのは武装した兵士。


はあ?ここで暗殺?まさか・・・・・・油断したか?


と、俺も太刀を腰に差し、リボルバー式拳銃の弾を確認して襲撃に備えようとすると、


「御大将、私です。私です」


と、現れた森力丸。


「なんだ、力丸か、驚かせるなよ」


「なんだはないでしょ?こんな少人数の警護でうろうろしないでください」


と、逆に怒られてしまった。


「なに?警護に来てくれたの?」


「それもありますけど、私も次の航海のお供に付いて行きます」


「え?下野は?」


「もう、私だって歳ですからね。息子に家督を継がせましたよ」


「え?隠居?」


「そうです。もう次の世代に任せます。御大将の姫、仁保も我が息子を支えてくれております。任せられます」


「そっか、仁保も元気か、そりゃ~良かった」


「で、私も連れて行って貰えますよね?」


「いや、いつだか約束したからそれは勿論なんだが、よりによって次の航海か~・・・・・・大変だぞ?」


「良いのです。私だって世界を見たいのですから。御大将がお作りになった地球儀を見た日からの夢なのですから」


「そう言うなら止めないけど、連れて行ける家臣はそう多く乗せられないからね、一度、茨城城に入ってからで良いから連れて行く家臣は厳選して」


「はっ、わかりました」


と、森力丸は満面の笑みを見せていた。

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