第902話 真琴自慢の景色

「どうだ、凄いだろう?」


と、壮大な轟音と水しぶきがかかる滝の下に地中海で増えた家族を案内した。


水戸まで線路は延ばされており、そこから菱形戦車が牽引した小型バスで茨城県大子町の袋田の滝まで来た。


「本当、真琴様ってここ好きよね~」


と、お初が言うと、茶々は


「あら、嫌いですか?私は好きですよ」


「姉上様、別に嫌いとは言っておりませんが」


と、少し険悪なムード、別に喧嘩をしているわけではない。


だが、それをジッと見ていた子供達が、間に入って止めていた。


「ダメですよ、けんか」


「そうです、ちちうえ様の家族はみんな仲良くしないといけないのです」


と、側室の間での取り決め事を息子達が言っていた。


「別に、喧嘩じゃないのよ。実の姉妹だからこその会話なのよ」


と、茶々が焦っていた。


「はははははっ、まぁ、良いじゃないか。それより俺の隠居所はこの近くに作りたいのだが、どうだと思う?」


「えぇ~それはマコが決めて良いよ。私達は別に一緒に暮らせるならどこだって良いし」


「おっ?そうか?」


「そうです、真琴様がお決めになって下さい」


と、茶々、お初は、


「隠居考えているんだ・・・・・・」


と、しんみりとしていた。


「私は砂の多い地で育ったので、このように緑あふれ、豊富な澄んだ水が流れる地、憧れでした」


と、アセナが言うと、オルショリャもミライアも、どこでも構わないと返事をくれた。


「すぐにではないけどね。いずれはここの温泉を引いた隠居所が作れればと思っているんだよ。最後はこの常陸で迎えたいからね」


と、言うと、


「うん、マコの郷土愛でそれはみんな知っていたよ」


と、お江が言うと皆、なにを今更言っているの?と言う顔で笑って見せていた。


この日、久々に袋田の湯で体を温めた。

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