第898話 常陸国帰国

 帰りの船の中で、佳代ちゃんと戦艦改造の打ち合わせ。


「真琴君、砕氷船って特殊なんだよ。タンクに注水してその重さを利用して氷を割って進むって。だから、戦艦を改造するのはちょっとねぇ」


「なら、どうしたら良いと思う?」


「ん?潜水艦で良いんじゃないかな?外装強化ならそんなに問題ないし、今のままでも結構頑丈には設計したつもりだよ」


「潜水艦で南極かぁ~、飛行機運びたかったんだけどな~補給用に」


「ん~なら、潜水艦空母にしちゃう?一隻くらいなら1ヶ月で改造してみせるよ」


と、何気に佳代ちゃんはブラック企業並みに無理矢理働かせるからなぁ・・・・・・。


だが、潜水艦空母かぁ。


確か、史実でも各国、偵察機1・2機搭載できる潜水艦造るんだよなぁ。


大日本帝国海軍が造った尹四百型潜水艦なんて主砲搭載で、爆撃機3機搭載出来る化物だったはず。


その後の潜水艦運用に大きく影響を与えたと聞いた事があるけど。


「真琴君潜水艦のほうが良いって、南極大陸目指すなら南極海の荒れる海との戦いになるから。海の中ならそれほど気にしなくて良いし」


「そっかぁ~そう言えばJKが南極に行く神アニメでそんなの見たっけ」


「じゃ~私、潜水艦改造と、飛行機改造の図面引くから」


と、佳代ちゃんは帰りの船の中ひたすら図面と戦っていた。


欧州イバラキ島を出て約3ヶ月弱で久々の日本、常陸国の鹿島港に入港した。


「父上様、そして母上様の皆々様、お帰りなさい」


と、迎えたのは高琴だった。


「ただいま。高琴こそ息災でなにより。信琴は城か?」


「はっ、兄上様は安土で治世に励んでおられます。城代家老として私が常陸国の留守を預かっているのです」


「そうか、信琴は安土か。まぁ、元気ならそれでいい、俺は船の改造をしたくて帰ってきただけだからな」


「その様な事を言わずに久々の常陸国を父上様に見ていただきとうございます。そして、ご助言をいただければと」


と、高琴。


「佳代ちゃん、潜水艦と飛行機のほうは任せて良いかな?」


「勿論大丈夫よ。1ヶ月で完成させてみせるんだから」


「うん、あのうちブラック企業になるから無理矢理働かせるのはやめてね」


「わかってるって」


と、腕まくりをしていた。

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