第893話 アイスランドで神イラストレーターでした
キビヤックの洗礼を受けた後、アイスランドに向かった。
アイスランドもイギリス人の入植が多く、現在、羊の畜産に力を入れているそうだ。
アイスランドも極夜の真っ最中・・・・・・。
人間はまだしも、動物って極夜に適応出来るのだろうか?
連れてこられた羊も時差惚けはするのだろうか?
アイスランドの目的は温泉。
港に接岸すると、イギリス人の入植者達に歓迎をされた。
英語のなまりが少々強くなり、俺の英語能力ではわからないので通訳を通して温泉に行きたいことを伝えると、快く案内された。
・・・・・・美少女との温泉・・・・・・などという事はない。
もううちの側室達は熟女だ。
だが、茨城が自慢する美魔女女優・永作●美の如く美しいの。
美の秘訣でもあるのだろうか?
って、混浴ではなく織田信長との入浴だった。
「常陸、雪に囲まれながら、空にはオーロラ、これほど情緒がある温泉など今まで入ったことがない」
と、御機嫌の織田信長。
「体は温かいのですが、頭が極寒ですね。ん~変にのぼせそう」
「常陸、北はこのように寒いなら南は暑いのか?」
「いや逆なんですよ。むしろ南極のが寒いのですよ。南極も行きたいのでしょ?」
「あぁ、行ってみたい。すべて、全世界を回りたいのじゃ」
まだまだ元気な織田信長なら不可能ではないかもしれない。
平成時代、高齢になりながらエベレストの登頂に挑む元気な高齢冒険者以上に元気だ。
好奇心が若さを保っているのかもしれない。
「信長様、南極は準備万端にして行きたいのでちょっと時間を下さいよ。このまま行くのは難しいですから」
「ん~なにを準備するというのだ?」
「犬ぞりの犬と、あと防寒着、信長様、先日貰ったホッキョクグマの毛皮は加工してちゃんと着られるようにして下さいね」
「あれを着るのか?冬の常陸のような姿になるな」
「兎に角、防寒の準備を整えなくては」
「うむ、わかった。凍傷は恐ろしいからな」
「犬はどうする?」
「ん~うちの茨城城か、樺太に行けば、樺太犬がいますが、しつけないと・・・・・・」
「常陸、ここでもらい受けたら良いではないか?なんなら雇えば良いであろう」
「あ~そのほうが、効率的かも。だけど、ここの人達、付いてきてくれるかな?」
「ん?常陸の絵の崇拝者どもだぞ?」
「へ?」
「風呂で屁するなよ。ここの者どもが読んでいる書物を少し見たが、常陸が書く絵が使われていたぞ」
「はぁぁぁぁぁぁあ?なんで!」
「知るか、自分で聞け」
極夜の地域は極端にすることがなく、読書が盛んだと聞いた事があったが?ん?
風呂を出て、燻製肉などの加工肉でもてなしを受けると、本を差し出してきた、若い娘がいた。
とても白い肌で雪国特有にキメの整った肌。
綺麗な子だ。
「ヒタチサマ サイン ホシ い ください」
「はあ?」
と、見ると、それは紛れもなく俺が描いたイラストだった。
どうもうちの学校で刷られた本らしい。
イラスト集になっている。
「俺ので良ければ喜んで」
と、サインをすると、宴席にいたみんなが次々に並びだしていた。
「ヒタチサマ 絵 カワイイ みんなスキ」
と、その綺麗な子が言ってくれるなか、お初が間に入ってきた。
「ほら、美少女ほいほい始まっちゃうから」
「人聞きの悪い言い方をするなお初、もう、そういうのは良いから」
「どうだか?」
と、お初が言うと、
茶々は一人クスクスと笑っていた。
う~俺、ライトノベル作家に本当はなりたかったのに、イラストレーターになってるやん。
と、俺は複雑な気持ちになりながらサインをしていた。
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