第873話 伊達政宗
久々の地中海、腕が鳴る。
最近は南米の発展の為に働いていたが、やはり海は良い。
そして、戦い。
武将の本来の生きる場・・・・・・そのような事を言えば常陸様に怒られてしまいそうだがな。
補給をするため、欧州イバラキ島に寄ると、常陸様の側室、佳代の方様が慌ただしくしていた。
確か、陰陽の力の補佐役をしていたはず。
「あぁ、伊達様、真琴君のところに行くならついでにこれも載せて行って下さい」
と、大量の木箱を渡された。
中身を確認すると柿ほどの大きさの鉄製の塊だ。
それになにか抜くような輪が取り付けられていた。
それに指を入れようとすると、
「あぁ、それ抜いちゃ駄目です」
と、止められた。
「もう、信長様と良い、なんですぐにそれを抜こうとするかな?それ、放り投げる爆弾でその輪を抜くと起爆するんです」
と、怒られてしまった。
「爆弾?これが?」
こんな小さな物が爆弾とは、人一人殺すくらいしかならないだろうなどと思いながら見ていると、
「こちらに来て下さい、見せてあげますから」
と、船がいない桟橋で兵士が輪を抜き海に勢いよく放り投げると、人の背丈より高い水柱が上がった。
「おぉぉぉ、なんと言う威力・・・・・・」
「ねっ、わかったでしょ。気を付けて運んで下さい」
と、なんとも物騒な物を託された。
仕方あるまい。
「私は先に戻りますから」
と、佳代の方様は不思議な形をしている船に乗ると・・・・・・はっ?
その船は飛んだ。
船が飛ぶ???
・・・・・・今までいろいろな常陸様が開発する物を見てきたが、今回は改めて驚いた。
欧州イバラキ島を守る兵によると『飛行機』と言う物だそうだ。
欲しいな・・・・・・。
この戦いの恩賞にいただけないか頼んでみようかな。
儂もこの大空を自由に飛んでみたいものだ。
インカ帝国太子の須佐様も飛ぶ為に大きな布風船で実験を繰り返しておられ、そこそこ高くまで上がられる事には成功したが、あれは風任せの凧に近くて自由に好きには飛べぬ。
地上を眺めるのには良いが。
などと見送っていると、羽柴秀吉様の艦隊も同じように補給に訪れた。
常陸様に任されている大事業パナマ運河は甥御の羽柴秀秋に任せ、御自身はスロバキア王国で余生を御子息と過ごすため隠居を申し出るとのことだった。
共に戦いを生き抜いてきた前田利家様の見舞いもしたいとのこと。
きっと残りの時間を御自身でスロバキア王国を強固たる国にして御子息に跡を継がせたいのだろう。
補給が済むと先に船を出し急いでいるようだった。
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