第870話 黒海進行

 戦艦に投石機型の爆雷発射装置を設置する。


佳代ちゃんが作り上げたパイナップル型爆雷を飛ばす為の物だ。


そのくらいの物ならすぐに取り付けられるため、戦艦改造を施し準備を整えた。


「信長様、うちの戦艦に間違っても落とさないで下さいね」


「誰が味方討するほど耄碌

もうろく

しているか」


と、鉄扇で叩かれてしまった。


「痛いなぁ、誰もそんなこと言ってないじゃないですかっとに・・・・・・」


と、頭をさすっていると、


「なんだ?常陸は上から見ているのではないのか?」


「いや、俺は艦隊を率いて黒海に入りますよ。そのほうが何かあったときに対応しやすいので」


「ふむ、そうか、しかと上から見といてやる。この2週間ただむやみやたらに撒いていたわけではないからな。どうも海の色が違うところが敵が潜んでいる」


「潜水艦の場所わかるんですか?」


「うむ、さほど深くは潜れていないようだからな」


ボスポラス海峡付近は浅く思っていたほど潜水艦が深く潜れていない事が判明した。


なら、そこまで警戒する必要もない。


「では、明日、黒海進行を開始とする」


と、指示を出した。


次の日、真壁氏幹が艦長を務める戦艦・摩利支天に俺も同乗し、黒海進行を開始した。


先ずは一隻だ。


「御大将、敵は現れませんが」


「油断するな、この海峡を抜けて小船で陣を組む。それまでは厳戒態勢だ」


「はっ」


望遠鏡で水面を見るが異常はない。


だが、少し先の方では水柱が上がっていた。


織田信長が水中攻撃だ。


敵は近いという事だ。


黒海に入り、救命ボートを兼ねている搭載している小船を4隻出す。


小さいが鶴翼の陣だ。


「よし、お初に進行開始の知らせを」


お初に任せてある戦艦・伊弉冉尊に電信する。


しばらくすると警戒しながらゆっくりと後ろに見えてきた。


その後ろに潜水艦隊四隻が続く。

潜水艦・健御名方・艦長・猿飛佐助

潜水艦・蛭子命 ・艦長・霧隠才蔵

潜水艦・木花咲取・艦長・東住麻帆

潜水艦・金毘羅 ・艦長・東住美帆


しばらく緊張の時間。


「御大将、太上皇様が少しずつ近づいてきております。水柱も一緒に」


「よし、爆雷発射装置稼働、水中攻撃開始」


と、指示を出す。


原始的な投石機で次々と時間を開けながら爆雷を発射させる。


敵への警告だ。


その間、小型蒸気機関外輪式推進装置付機帆船型鉄甲船戦艦4隻も黒海へ進行した。


そこから次々と小船をだし警戒が出来る陣形となる。


イスタンブール沖黒海側に侵入成功。


艦隊決戦を出来るように、あとは次々と予備戦艦を呼び寄せよう。


イスタンブールに補給基地を作るのと同時進行で。

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