第787話 子供達

 織田信長は一度マドリードに帰ると言い、地中海で別れて俺は欧州イバラキ島に帰った。 


欧州イバラキ島の欧州イバラキ城改名JAXA欧州イバラキ島宇宙センターに帰ると、益々城ではない何かに変貌しようとしていた。


大きなドーム型の建物が複数出来、力仕事をしている者が多く見える。


桟橋に船を着け、その様子を見ていると、


「真琴君、お帰りなさい」


「あっ、佳代ちゃん、これ何しているの?」


「軍事工場ですよ。菱形戦車の量産の為と武器弾薬、造船所も」


「え?」


「残ってしまった火種を叩くのに必要でしょ?」


「う、うん。今までは艦砲射撃で乗り切ってきたけど、今後は陸の戦いになると思うけど、よく気がついたね」


「そりゃ~私も未来人ですから」


と、磯原佳代は笑って見せた。

欧州イバラキ城、もう完全に大工業地帯と言って良い物になってきている。


子供達に会いに行くと、屋敷の広間でミライアの子、天穂

あめほ

、アセナの子、熱田

あつた

、オルショリャの子、菊理

くくり

、佳代ちゃんの子、神産

かみむ

が、ポテっと転びながら走り回っていた。


襖を開け中に入ると、みんな母親の後ろに逃げた。


仕方がないさ。

見ず知らずのオジサンが近づけば実の父親だろうとそうなる。


「ほら、父上様ですよ」


と、ミライア達は子供達に促すが近づこうとはしない。


「ははは、仕方がないさ。そのうち慣れるだろう」


と、諦めると、


「しばらくは、こちらに?」


と、アセナが聞いてきた。


「うっ、うん、まだ迷っているんだよね。しばらくはここで情報集めはしないとならないけど、拠点は変えるつもりではいるんだ」


「ここは温暖で温かな地、子育てにはちょうど良いのですが」


「うん、俺もここは好きだけどね。いろいろと、やらないとならないこともあるし」


「わかっております。私達は真琴様がお忙しい身であることは重々承知しております。子育ては私達にお任せ下さい」


と、オルショリャも母親になったせいか真面目に言ってくれた。


「ごめんね」


と、謝るしかない。


「母上様からの連絡ですと、旧体制の者どもは北の大地に集結しておると聞いております。再び返り咲こうとしている様子」


と、スロバキア王国の女王バートリ・エルジェーベトからの知らせを教えてくれるオルショリャ。


「やはりね。それが気がかりだったんだよ。ん~どこかに拠点を作らなければ・・・・・・」


自室に戻り地図を前に悩んだ。


ロシアへの牽制・・・・・・そして宗教の遺恨を未来に残さないための仕事をしなくては。

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