第786話 帰島

 カイロでの仕事も一段落したので欧州イバラキ島に帰ることとした。


桃信はしばらく琴彦の教育係としてと、緑地化対策の為カイロに残らせる。


「桃信、オスマン帝国の娘達は気に入らなかったか?」


「はい、父上様、申し訳ありません」


「いや、以前から言っているように好きになった女子と結婚すれば良い。気にするな。幸い黒坂家の血を引く者は多い。桃信が跡取り出来なくても甥でも養子にすれば良い」


「はい、ありがとうございます」


「それとな、桃信、お前に豪州統制大将軍の役職を譲る。緑地化計画が一段落したら、琴彦に引き継ぎ、オーストラリアのケアンズ城に入れ、良いな」


「はっ、この桃信、身を引き締めまして一生懸命、働かせていただきます」


「そして荒木又右衛門を桃信の家臣とする。真面目で実直な上に剣も覚えが良い。良い家臣になるぞ」


と、柳生宗矩に教育させた俺の小姓の荒木又右衛門を桃信の配下に決めると、


「大殿の仰せのままに」


と、荒木又右衛門も納得した。


「父上様はこれからどうする予定なのですか?欧州イバラキ島で差配を?」


「あ~ん~あの島は信長様に譲って、違うところに城を築こうと思っている」


欧州イバラキ島のイバラキ城はごちゃごちゃし過ぎて俺の美的感覚からかけ離れた物になっている。

そして、シチリア島に真田幸村がいるので地中海に固執する必要もなく、火種が残っている地の近くに行きたいと考えている。

桃信に言うと、


「ん~どこでしょうか?父上様が描いた地図で言うと・・・・・・ウクライナと書かれた地でしょうか?それとも唐に近いところ?でも父上様は寒いところはお嫌いだし」


「桃信、なかなか鋭いな。まだ正確に決め手はいないがそのあたりを予定している。旧ヨーロッパの王家が脅威となるか清国、明国が脅威となるか次第だな」


「どこであれ、何かありましたらお呼び下さい。いずこなりとも馳せ参じますから」


「うむ、頼んだぞ」


と、桃信との別れの挨拶をして、欧州イバラキ島のJAXA欧州イバラキ島宇宙センターに戻ることとした。


家族を迎えに行かねばならないので。

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