第780話 ヌルテカ肌の美

◆◇◆茶々視点◆◇◆


「気温はさほど高くはないので良いのですが、乾燥が気になりますわね」


「茶々様、エジプトの方々は、このような物を肌に塗って乾燥を防ぐそうですよ。いかがですか?」


「あら、小滝、それはなんです?」


「ひまし油だそうで、少々調べましたが毒性はないみたいです。香料も混ぜられ良い匂いもいたします」


と、私は小滝が渡してきた瓶の蓋を開けると、ほどよい花の香りがしている。


少々手に取り、乾燥激しい手に塗ってみる。


「あら、なかなか良いわね。有り難う小滝。これは、みんなに配ると良いでしょう。あなたも、ちゃんと塗りなさいね」


と、勧めた。


◆◇◆真琴視点◆◇◆


・・・・・・はっ?


うちの妻達が突如、ヌルテカ肌でエロくなっていた。


しかも、エジプトの日差しで軽く小麦色の肌がヌルテカしている。

エジプト麻で織られた生地の薄い白いふんわりとしたワンピースから見える小麦色のテカテカの肌。


「どっどっどっど、どうした?みんな?」


「肌を守るのに香油を塗りました。乾燥がひどくて」


と、お初。


「・・・・・・」


「どうしました?じっと黙って見て」


「いや、小麦色の肌がテカテカしているの、俺の性癖ドンピシャリ。ちょとその足触らせて」


「うっ、・・・・・・舐めるのですか?舐めるのですね?舐めさせませんよ」


「舐めないよ~~~」


と、どこかのサーバルキャットのように叫んでしまうと、お江が


「はい、マコ~」


と、触らせてくれた。


「お~~~~~良いね良いね」


「マコ、久々に舐める?」


「舐めないから」


と、肌触りと見た目を楽しんだ。


「昔のファラオも、この油を塗っていたみたいだよ。昔っから使われているんだよ。ほら、ツタンカーメンの墓にあった黄金の椅子にも描かれているでしょ、これ、ツタンカーメンが妻のアンクセナーメンが香油を塗って貰っている場面なんだよ」


「へぇ~そんな絵なんだね。あっ、でも、この絵なんか可笑しいよ?」


と、お江が指さすと、お初が


「あら、ほんと」


と、言う。


「・・・・・・ん?あっ、右手の親指が体の内側になるはずなのに、外側になっているってこと?」


「うん、これ玉座なんだよね?こんな重要な椅子なのに作った人、失敗したのかな?左ちゃんが玉座作ったらこんなの許さないよね~」


と、お江は左甚五郎の腕を褒めていた。


「はははは、確かに左甚五郎なら写実的に彫るだろうね。ただ、これは宗教的というか、信仰的というか意味があるんだよ。確か、親指が霊魂の出入りする重要な場所と考えられていたから、親指を描くのにわざと外側なんだよ」


「へぇ~そうなんだ。いちいち意味があるんだね~。ねぇ~マコは、この古代文字は読めないの?」


「流石にそこまでは、勉強していないからな。エジプト考古学史には興味はあったけど」


「大変ですわよね~こんなに画数いっぱいな文字」


と、茶々は優しく椅子に彫られているヒエログリフを撫でた。


「これ、一つが一音ではなく、一文字で名前を示したり意味がある単語だったはずだよ」


「読めれば、また面白さがありますのに」


と、言っていた。


しばらく続く発掘品整理作業、早く終わらせないと、うちの嫁達ヤマンバギャルの如く真っ黒になってしまいそう。


琴彦、桃信、早く来てくれないかなぁ~。


信長様は、どこまで行っちゃったんだよ。

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