第778話 ハーレムルート再び?
桃信を送り出して翌週になると、カイロ大使館に10人の若い娘が訪ねてきた。
護衛付きの大層な集団で。
「ふぉっほほほほほ、ようやく到着しましたわい。常陸様、姫様達の目通りを許していただけませんか?」
と、ツタンカーメンの墓の装飾品の資料に不備がないか見ていると、ムリタファスが言ってきた。
「え?姫様達?別に構いませんよ」
「ちょっと~、また側室増やすんじゃないでしょうね」
と、きつい目で睨んでくる、お初。
「今回の姫達は桃信と琴彦の見合い相手ですよね?」
「ふぉっほほほほほ、常陸様が気に入っていただけるなら、常陸様の側室でもかまいませんよ」
「もう、それは良いですから」
と、断った。
大広間で挨拶を受けると3人はオスマン帝国皇帝アメフトスの娘で、あとは姪や血縁関係にある有力なパシャの娘などだった。
「あ~桃信はおそらく半年以内には帰ってくる。琴彦はイタリアから呼び寄せるから1ヶ月は必要だな。一度帰られたらどうか?」
と、聞くと、教育を受けている姫達は、
「この地で、待たせていただきとう御座います。見れば、働いている女性の方々は下々の者かと思えば、常陸様のハーレムの方々、このような光景は初めて見ます」
と、アメフトスの娘でこの集団の長となっているマラティヤが言ってきた。
聞くと、まだ8歳だと言うのに女の色気を持つ利発な姫だった。
「ははははは、うちでは妻達は信頼出来る家族であり仲間であり、そして家臣でもある。皆それぞれ得意分野で働いて貰っている。珍しい光景か、ははははは」
と、笑うと、茶々が、
「そのおかげで寂しい思いをしましたけどね」
と、心にチクリと刺さる一言。
「茶々・・・・・・ごめんなさい」
と、謝ると、
「今は面白い経験が出来ているので良しですが。桃信、琴彦の妻になることを考えているのなら、夫がしばらく不在になる事の覚悟を持たねばなりませんが、それはおわかりか?」
と、茶々がマラティヤ達に聞くと、
「はい、父上様から、常陸様は世界各地を飛び回っておられる。その為、御子息も連れて行かれることもあるし、異国の地で生活する事にもなるだろう。と、聞き及んでおります。しかしながら、大日本合藩帝国と縁を深めるための婚姻、喜んで大任を果たしとう御座います」
と、返事が返ってきた。
「ならば、桃信、琴彦が到着するまで、茶々、頼んだぞ」
と、言うと、
「こちらでも学校みたいですね。まあ、息子達の嫁となるならビシバシ教育いたします」
と、張り切っていた。
さて、取り敢えず、イタリア藩とオーストラリアにモールス信号を打って呼び寄せるか。
・・・・・・「お江、姫達の身辺調査、わかっているな?」
「もちのろんだよ」
お江に影から観察を頼む。
お江は人を見る目を持ち、そして、無音で忍ぶ技も会得しているから適任。
10人から相応しくない者を見抜いておかねば。
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