第763話 黒坂真琴の野望

「ふふふふふっ、ふふふふふふふっ、ふふふふふふふっ」


と、自室でエジプトの地図を書きながら、一人笑っていると、


「うわ、マコ気持ちわる~」


と、音もなしに入ってきた、お江。


「おおおおおおおっ、びっくりした。っとに、無音で入ってくるなよ」


お江になら俺も暗殺されそう。


ただ、お江の師匠である猿飛佐助や霧隠才蔵、柳生宗矩曰わく、俺が気がつかないのは、お江には俺に向ける敵意、殺意が全くないからだろうと言っていた。


敵意を持って近づく忍びは必ず気配を発してしまうとのこと。


「マコ~、何しているの?」


「ん?ちょっとな墓探しを・・・・・・あっ、いや、何でも無い気にするな」


「まあ良いか。それより宗矩がカイロに着いたって連絡来たよ。で、カイロの大使館は城のように堅牢な作りになっていて、桃信の配下が守りを固めているから大丈夫だって」


「ん?そうか、なら、一緒について行く人選をしないとな」


「私は付いて行くんだからね」


「ああ、お江には忍びを宗矩と共に任せるから。それより留守居役にお初を頼んでも大丈夫かな?茶々は連れて行きたいし」


と、言うと、


「マコ~、ミライアちゃん達は残すんでしょ?だったら、お初姉上様が留守居役でなくても良いのでは?もう、ミライアちゃん達だって黒坂の人間だよ。信頼に値するね」


信頼していない訳ではないが、留守居役としては浅井三姉妹を任命してきてしまっている。


ただ、今回出産したばかりのミライア、アセナ、オルショリャ、佳代ちゃんは城に残す。


なら、その四人を留守居役にしておけば良い。


「そうだな、茶々もこっちに来たことだし、浅井三姉妹は一緒に旅をするか」


と、言うと、お江は喜んでいた。


今回側室同行者は、浅井三姉妹の他に、食事の管理をする桜子、いざって時に必要な医術に長けた小滝を連れて行く。


少々、体力を使うことをしたいので、桜子と小滝は、どうしても必要。


そして、人数も欲しいので、シチリアの真田幸村とイタリアの前田慶次に金堀人足をカイロに送って貰うよう手配もした。


織田信長は、今か今かとKING・of・ZIPANG Ⅳ号でそわそわしていた。


今回は俺も公に渡航するので戦艦・伊弉冉尊で行く準備をする。


潜水艦は『健御名方・艦長・猿飛佐助』と『蛭子命・艦長・霧隠才蔵』を同行させて、他は整備、休息を命じる。


ふふふふふっ、いよいよだ。


いよいよ、エジプトに行ってやりたかったことを叶えるぞ。

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