第762話 織田信長と考古学
「常陸、儂の案内をせい」
と、側室達の出産が落ち着いて3ヶ月、熱田をあやしながら引越し先を考えながら地図を見ていると、織田信長は唐突に言ってきた。
「どこに案内すれば良いのですか?」
と、言うと見せてきた電子辞書には、ピラミッドが表示されていた。
「あっ、エジプト!俺も行きたかったんですよ。平成時代、修学旅行のあとの冬休みに行く予定だったのに、本能寺に来てしまったし」
「なら、ちょうど良いではないか。行くぞ、仕度せい」
と、もう、この御老体は第六天魔王ではなく、いろいろな物を見たくて仕方ない研究者のようになっていた。
「ちょっと時間下さいよ。んないきなり皇帝を他国に連れて行けますか?カイロに在中させている桃信に連絡して、警備を整えさせますから。それと先遣隊として、柳生宗矩を向かわせますから」
同盟国のオスマン帝国の支配圏であり、俺のわがままでカイロに大使館を作って貰ったが、まだその大使館すら見ていないのに織田信長を連れていくのはと、止めると、
「仕方がないの~、皇帝の地位も無意味になってきた。信忠をジブラルタル城に入れて皇帝を継がせるか」
と、突如として言い始めた。
「まあ、自由に動き回りたいなら、そのほうが良いかとは思いますが」
と、返事を返すと
「よし、秀信を征夷大将軍と任じ、信忠を皇帝に据える連絡をする」
と、モールス信号機室に司令を出していた。
事が重大なだけに、高速連絡船に書状をしたためて安土に向かわせた。
織田信長にとって肩書きなど重要な物ではなく、身動きが取りづらくなると逆に煩わしい物だった。
俺は真逆、長い長い肩書きに憧れる。
その為、今ではとてつもなく長い肩書きとなっている。
意味はなしていないのがほとんどだが、それでも織田信長は俺の嗜好を理解し、一度付けた肩書きは外さないでくれている。
さてと、柳生宗矩をカイロに向かわせて警備をさせて、準備をしなくてわ。
俺もそろそろ行きたかったんだよな~エジプト。
やりたいことがあるし。
ふふふふふ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます